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好きを否定しない気持ち
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***
「ただいま〜、あれぇ…シュン……」
「おかえり」
お店が遠くて、帰ってくるまで30分くらい
かかったんだけどぉ…帰ってきたら、
シュンは気持ち良さそうに眠っていた。
そしてしっかりと繋がれたら手
苦笑いをするエリック
左手が動かせないからねぇ…
ちょっと、ちょっとだけだよぉ?
心がね…チクチクしたんだぁ
「じゃあシュンちゃんはこのままでネ。
もうすぐ夕方だしー、片付けよーよ。」
シュンに気づかれないようにそっと、
手を離したエリックを思わず、見てしまう
ポンッ、と僕の背中を押したゼン
…僕も、大人にならなきゃ
応援しなきゃ、シュンが、
幸せならそれでいいんだ〜
そう、そう思うの
でも、2人が幸せそうな、分だけ、
胸の奥がギュッとして、チクチクして…
嫌だなぁ、僕
こんなの、いじわるな人だよぉ…
2人が、笑えるならそれでいい、のに……
「ゴミ、捨ててくるね。」
「おー、よろしく秀才クン。はい、坊ちゃん、
これ入れてねー。ヨシ、これでお終いっと」
「…。」
突然、動きを止め、僕の横にストンと座ったゼン
チラリと見ると、目があった。
深緑の、相変わらず不思議な色の瞳
「あのさー、坊ちゃん、一度好きになった人って
…いい意味でも悪い意味でもずっと特別なんだよ。」
「ふぇ…?」
「いいんじゃない?無理に自分の考えを
肯定しなくて。否定しまくればー?
優しい人にならなくちゃとか、こんなこと
考えたらいけないとか…そんな概念に
縛られるなんて、ナンセンス。」
クスリと微笑むゼン
その横顔は…懐かしいものがあったんだぁ
「とことんまでもがきなヨ。
本当は1番になりたいって、特別になりたいって
その考えまで、否定して閉じ込めることなんて
ないんだからさ。」
クシャクシャと僕の頭を撫で、立ち上がったゼン。
…そうだ、よく、こういうのが昔からあった。
僕が小さい頃、パパに怒られて…庭の植木の
後ろに隠れてた時に、よくゼンが迎えに来てくれた。
一緒に謝りに行こうって、言ってくれた。
皮肉と嫌味ばっかりな癖に、本当は
人一倍心配性で面倒見が良いことを、
僕は知ってるよぉ…
「……ゼンのくせに。」
「はは、オレだから、デショ。」
悪戯っ子のように微笑むゼン。
エリックが帰ってきて…空がだんだんと
赤くなってきた
「帰ろ〜?」
そう言うと微笑みながら頷く2人
その前に、寝起きの悪い彼を起こさなきゃねぇ…
帰ろう。
みんなで…4人で。
この先も、ずっと…………
今の僕は、そう信じて、疑わないんだぁ〜
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