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ぼくらがようちえんじになりました。5
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「はい、スパゲッティ」
「ありがとうございます。」
ナポリタンを持ってきてくれた登坂さんに、恋が丁寧に頭を下げる。
「いいえー。こっちはサラダね。」
「さらだ!」
嬉しそうに目をキラキラさせる明希くんを、翔也がものすごく優しい顔をして見てる。
「ひろおにいちゃんの、なぽりたん、は?」
ナポリタンという言葉を覚えたばかりの千秋くんが、たどたどしい口調でそう言った。
「俺は千秋が残したの食べるよ。」
運ばれてきたナポリタンはだいぶ多くて、恋たちが食べきれるとは思えない。
もしかしたら2人ずつ食べるようにと多めに作ってくれたのかもしれない。
「ぼく…はんぶんこしたい…」
うるうるした目で紘さんを見上げる千秋くんに、紘さんの顔がだらしなくなった。
紘さん、小さい子好きなんだなこれ。
…いや?千秋くんだからか?
「いいよ。半分こしよう。」
紘さんがそう言って千秋くんの頭を撫でる。
「しょうやおにいちゃんもはんぶんこする?」
じーっとそれをみていた明希くんが、翔也の方を向いて、こてん、と首をかしげる。
「明希ちゃんが食べたいだけ食べていいよ?」
「うーん…だめ!しょうやおにいちゃんもたべるの!」
「わかった。じゃあ半分こしてもらおうかな。」
……ものすごい、恋からの視線を感じる。
「どうかした?」
「…りゅうおにいちゃんも。」
ずいっ、とすでに分けたらしいナポリタンを渡され、思わずニヤける。
「ありがとう。」
「どういたしまして!」
にこーっとすごくいい笑顔を見せてくれる恋。
やばい、何してても可愛い。
「じゃあ、みんなでいただきますして食べようか?」
「「はーい!」」
「はい、いただきます。」
「「いただきます!」」
翔也が幼稚園の先生にしか見えないんだが…
ナポリタンを食べ始めた恋たちの様子を見ながら、俺たちももらったナポリタンを食べる。
「ところでさ、明日からあと2日はこれなわけでしょ?俺たちの時もそうだったけど、どこか連れてってあげたほうがいいんじゃない?」
翔也が言う通り、1日中家にいるのはかわいそうだろう。
「そうだな…でもどこに連れて行く?」
「水族館とかどうですかね?」
「あー、いいんじゃない?すごく喜びそう。」
「水族館か…」
若干照れた表情を浮かべる紘さん。
そういえば紘さんは、水族館でプロポーズしたんだっけ。
「ダメですか?」
翔也がニヤニヤとしながらそんなことを聞く。
「ダメ、ではないけどな。うん。」
「あはは!紘さん可愛い。」
翔也がケラケラと笑ってそう言う。
ふと、恋たちの方を見ると、きょとん、とした顔をして、3人で顔を見合わせていた。
…口にケチャップがついてる…可愛い…
…あとでとってあげよう。
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