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リクエスト 前髪騒動
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*丑満時さまよりリクエスト 受けの子たちが前髪を切りすぎて…*
〜琉と恋の場合〜
…やばい。これはやばい。
鏡の前で、ため息をつく俺。
その理由は…
「…切りすぎた…」
前髪を切りすぎてしまった。
最近伸びてきた前髪を、これくらいなら自分で切れると思って切ったら、思った以上に切ってしまって、なんだか恥ずかしい。
「ただいまー。」
…琉さんが帰ってきちゃった。
「お、おかえりなさい。」
「ん?どうした?俯いて。なんかあった?」
「いえ!何もないです!あ、俺ちょっと部屋に行きますね!」
不自然すぎるだろ…
そう思ったけど、なんとか見られることなく部屋に到着。
やばい、もう部屋から出れない。
いや、琉さんが部屋に来る可能性もあるから…
俺はベットに潜り込んで、布団をかぶった。
「恋ー?」
「はい、なんですか?」
「うわ、なんで布団被ってんの?」
「いや、ちょっと。」
「布団まくっていい?」
「ダメ!!」
「え、なんで。」
「きょ、今日はダメです。明日…いや…1週間後なら…」
「は?!」
そりゃそんなこと言われたら驚くに決まっている。
でもこんな髪型で琉さんの前に出たくない。
「恋、本当にどうした?」
「ほっといてください…ほんと、お願いします。」
「なんかあったなら言ってごらん?」
布団の上から、優しく撫でられて、なんだかものすごく申し訳なくなる。
だって…
前髪を切りすぎて琉さんの前に出たくありません。
なんて、そんな馬鹿げた理由で、琉さんに心配をかけてしまっているわけで…
「…笑わないでくださいね?」
「おう。」
「絶対ですよ?」
「おう。」
俺は布団から顔を出した。
「…ん?」
琉さんは理解できない、という顔をする。
…あれ?伝わらなかった?
「……布団から、出てきたな?」
「…はい。」
「なにもなかったのか?」
「…え?」
「え?」
「なにか、変わったと思いません?」
「…なにも…あぁ、前髪切った?でもそれが何?」
「えっ?」
「前髪、いいじゃん。似合ってるよ。」
「ど、どう考えても切りすぎですよね?」
「そう?男だしいいんじゃない?こんなもんで。むしろもっと切って、前髪なくすのもありじゃん?」
琉さんはそう言って、優しく微笑む。
なんか、なんで悩んでたのかわかんなくなる。
「もしかして、これ見せたくなかったの?」
「あー…はい…」
「なんだ、そんなことか。」
琉さんがクスクスと笑いだす。
笑わないって言ったのに。
「笑わないでくださいよ…」
「どんな恋でも可愛いよ。」
「は…」
ぽかん、として、言葉の意味を理解して、顔が熱くなる。
なにそれ、ほんと、ずるい。
「髪型なんて、なんだっていい。あ、でもアフロとかにしたら驚くかなぁ、さすがに。坊主とかリーゼントも驚く。」
琉さんはそう言いながら、想像したのかケラケラと笑う。
「恋は恋だろ。そんなこと気にすんなって。」
ぽん、と頭を撫でられて、なんか、胸があったかくなってくる。
「俺は恋が好きだから。」
ほんと、ずるいなぁ。
「…琉さん…俺も好き…」
「ん。よし、じゃあご飯食べる?」
「はい。」
前髪騒動は、こうして解決した…
なんてね。
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