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59話
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ズキズキ、ズキズキ
痛みでどうにかなりそうだ
一体どこが痛いのか分からない
「はは、、バカみたいだ。」
嘲笑った様な、、半分諦めたかのような声は微睡みの中に吸い込まれていった
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「ん…っ…」
ツキんと頭の痛さで起きる
なんか夢を見てたような、、思い出せない
よく寝た気がする
「んぅ…ふぁ…」
暖かい…
起きたてで働かない頭を動かし
半分寝ぼけた頭で起きようとすると
人肌のような、暖かいモノが触れる
「あ、起きた…体調はどうですか?」
「へ…」
声のする方へ顔を上げると
凪斗の顔があった
しかも俺が凪斗をホールドしている
「!、?!?!」
すぐさま離れようとしても今度は
凪斗に挟まれて抜け出せない
「ちょ、離」
「うーん、まだ熱いですね」
「…て、ここは…」
「あ、俺の家です。先輩倒れちゃって」
すいません、と付け足される
あの後倒れたのか…
「あ、ごめん…迷惑かけて」
「全然迷惑じゃないですし、ほっとけなかったので…
それと、ゴメンじゃない言葉が聞きたいです」
「あ、ありがとう…」
凪斗の顔を見るとニコッと笑っている
トクン…
「っ…」
「そうです。それでいいんです」
「うん…ありがとう」
そんなこと言っても随分と迷惑をかけただろう。
こんな状態の俺をましてや家に連れてき看病するなんて
お人好しすぎやしないだろうか。。
すると凪斗は俺の顔を見る
「なに?」
「あの、先輩…困った事あったら俺に、、言ってほしいです」
「え、」
「抱え込まないでください。体調悪いなら悪いって言ってよ、心配なんです。」
「そんな、出来ない…し…抱え込んでもない」
「ホントですか?」
「う、ん」
「でも俺だけには甘えて下さい。迷惑なんてそんなの絶対ないですから。」
「な、何で…」
「何でですかね…でも頼ってほしいって思ったんです」
「何それ」
「ただ単に思ったんですよ。
ボロボロな身体でも誰にも助けを求めない、
大丈夫で片付けて…本当は辛かったんでしょ?
身体すら動かすの辛かったはずです。」
「そ、れは…」
「そうでしょう?辛かったら言って良いんです。
辛いって。必ず俺が力になりますから。」
ボソッ
「初めて言われた…」
それは無意識に、
言葉という形で口から出ていて
「ふふ、俺が初めてですか?」
何故か凪斗は嬉しそうで
その顔の意図はまだまだ分からなかったけど
その言葉に胸がスっと軽くなった気がした。
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