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練習試合
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それからも西谷は飽きずに毎日のように説得にきた
俺の意思は変わらない
『バレーとは関わらない』
「田所はさ、なんでそんなにコーチやりたくないの」
机に突っ伏している俺の前の席に縁下が座りながら聞いた
「別に。俺はもう、バレーやらないって決めたから」
「それってさ、やりたくない訳じゃないって事だよな」
縁下はそう、何か含みがあるような言い方をした
それに俺は気づかないフリをする
「だからって、やらないぞ俺は」
「はいはい」
縁下は俺の頭をポンポンと叩き去っていった
ガキじゃねーんだぞ俺は
俺はもう一度机に突っ伏した
side 縁下力
黒くさらさらとした長めの髪をハーフアップで結んでいるこの男
田所綾斗は中学の時は東京の強豪にいて、いろんな賞を総なめにしていたらしい
田所はなぜか今、烏野高校にいる
理由はよく知らないが、西谷はその事情を知っているのか選手ではなくコーチとして部に誘っていた
西谷に事情を聞いても、笑って誤魔化すだけだ
話したくないことを無理に聞こうとは思わないが知りたいとは思う
「綾斗!! 今度、音駒と試合があるんだ!コーチするかしないかはそれを見てから決めてくれ!」
西谷は毎日のように田所を誘う
「それ見たらもう西谷、俺にコーチの話しないって約束するなら良いぜ」
「おう!それでいい!」
西谷は迷いのない笑顔を田所に見せる
田所は呆れ顔で西谷を見上げた
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