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「遅くなってすみません」
体育館に入るとそこにはなんだか後ろから黒いオーラを放った面々
何これ怖い
「田所おせーぞ」
「うっせ、田中。これでも飛ばしてきたわ」
「綾斗、自転車ですらおせーもんな!」
「なに?西谷は俺を傷つけたいの?塩塗りたくりたいの?」
「まぁまぁ綾斗。どんまい」
「縁下が一番ひどいから!」
2年組みの絡みに対応してたら何だが黒いオーラ的なものはなくなった
「いいかー。ミーティング始めるぞ」
「「「はい」」」
「今日の伊達工戦はなぁ言わばビールの一口目だ!」
お、おう
「ビールの一口目のうまさは最初だけの特別の美味さだ」
「鵜飼くん。未成年にも分かるようにお願いします」
戸惑う俺たちを見て武ちゃんが鵜飼さんを止めた
「あー伊達工戦は変人速攻が初お披露目だったからこそ、相手の意表をつくことができたわけだ。でも、青城とは一度戦ってるからある程度手の内を知られている。ただ、それでもお前たちの攻撃力が高いのは確かだ。まずは、及川のあのサーブをしのぐ事だな。あのサーブで流れを持っていかれるのが一番嫌でかつありえるパターンだ」
こっちのバレー事情を俺は知らない
だから、なんの対策も立てれないし意見もできない
コーチ失格だな。これは
「お前ら青城みて、あ、やべ。つえっって思ったろ。でもよ。例えば伊達工の試合をもし観客席で見てたら、何だよあのブロック、マジ怖い勝てないって怯むだろ。でも戦えた。勝った。明日もそうだ」
「「「っしゃああああああ」」」
みんなの顔が一気に明るくなった
指導者の資質ってやつをたまに鵜飼さんには感じる
俺もまずはそこを目指す、そう思えた
「よーし。じゃぁ軽くフォーメーションの確認するぞー」
「「おっす」」
「鵜飼さん」
全員が散ると体育館に男の人が入ってきた
「おぉ森!」
「これ、今日の試合っす」
森と呼ばれた人は鵜飼さんになにやら円盤を渡した
「お、サンキュー。すまん、助かる。今度おごる」
「やったーイェーイ。ほいじゃ」
森さんはすぐに去っていった
「青葉城西の試合のですか」
「俺も見たいです」
「あぁそう言うと思ってダビングしてもらってある。ほら」
鵜飼さんは俺に一枚「青城VS大岬」と書かれた円盤、DVDをくれた
「ありがとうございます」
「あぁ、まぁ今日これを見たからって及川のサーブが取れるようになるわけじゃねーけど、何もしないとそわそわするからな」
「鵜飼くんと田所くんには僕がおごりますね」
「マジでー」
「俺、購買の焼きそばパンで!」
「はいっ」
それからフォーメーションを確認して俺たちは家路へと向かった
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