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俺は荷物をまとめる
歩くのが遅い俺はこれくらいは早くしなければ
ゆっくりと下に下りていくと外に行こうとしているみんなにあった
「お疲れ」
西谷がいつものように駆け寄ってくる
「綾斗!荷物重そうだけど大丈夫かっ?」
けど、無理してるのが分かる
負けた後ってのはいつも通りになんて出来ない
「俺の心配しなくていいから、早くクールダウンしてこいよ西谷」
無理しなくてもいいのに
「じゃ、俺が持つよ。俺試合でてないし」
今度は縁下が俺の荷物に手をかける
「縁下は西谷がちゃんとクールダウンするか見張ってくれ。あいつ、いや、あいつらすぐサボるだろ」
俺はソイソイコンビを指差した
「はは、だな。」
「俺はあとから行くからさ、ちゃんと見張ってろよ」
「分かった」
みんなを先に行かせ俺はその後をゆっくりと歩く
俺の歩幅に合わせて鵜飼さんが隣を歩いた
「強かったですね。青城」
「だな」
鵜飼さんが俺の荷物を無言で持った
「ありがとうございます。次の手考えないとですね。春高に向けて」
「あぁ」
「俺はプレーは出来ないけど、考え続ける事だけは出来るから。弱者なら弱者らしく」
「俺さぁ。綾斗のこと勘違いしてたみたいだわ」
鵜飼さんは大きく息を吐いて歩きながら俺を見てきた
「ん?」
「もっとこう、影山とか牛島みたいなこう、本能で生きるタイプの天才だと思ってたんだけど違ったな」
「あーよく言われます。実際俺が得意としてたブロックだってゲスブロックだったし、そう見られるようにしてたのもありますしね。だって天才かっこいいじゃないですか」
side 鵜飼繋心
にへらと笑った綾斗の顔は思春期のヤローどもの下半身に悪いだろうななんてくだらないことを思いながら歩く
型の古い使い込んだビデオカメラ、今日見せられたスコアブック。
才能の塊なんて巷じゃ言われていた田所綾斗
ないとは言わない。センスも才能もこいつはずば抜けていたはずだ
だが、それだけでU-15のキャプテンなんてやれる訳がない
中学と言えど175センチなんて決して高い方ではない
選手としてはそこら辺にごろごろいる
「俺、統計学好きだったんですよ」
綾斗はそういった
「自分がこのパターンが多いと思っていても実は違ったとか、個性の違うセッターたちが実はこのパターンでは同じ攻撃を仕掛けてくるとか、考えもしなかった事が色々出てきてそれがブロックであたりだした時バレーが好きになったんですよね。月島がブロックの起点成れればって思うんですけど、俺のは特殊すぎて教えられないですし、どうしましょうか」
あぁ今、敗戦に浸っている烏野で唯一前を見てるのはこいつなんだ
だから、田所綾斗は強かったのか
俺は自傷ぎみに笑った
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