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敗戦翌日、俺たちは普通に学校にきた
教室に入ると縁下がもう来ていた
「おはよー。縁下」
「あぁおはよう。綾斗」
少し元気のない声
昨日の敗戦がまだ尾を引いているのだろう
「西谷と田中がさ、元気ないんだ」
縁下がそういった
「あのソイソイコンビが?それは困ったな」
「え?」
「あいつらってさ、盛り上げ役じゃん。いつも士気を高めてる奴らが元気ないのは困るんだよ」
「あぁだな」
俺は考えをめぐらせる
「ま、どうせ昼、ここで食べるんだろ。そん時でも遅くないかー」
「綾斗ってたまに能天気というか、急がないというか」
そう言う風に見えるのか
「えー?これでも焦ってるんだぜ?今日にはケロッとしてると思ってたんだから負けた試合なんていつまでも考えてたって仕方ないだろうが」
昼休み、いつものように俺の机に2年組みが集まる
いつもと違い静かだった
けど、あぁ大丈夫だ。とも思った
だってもうあれは前を向いている目だ
田中が静かに話し始める
「日向と影山が始めてバレー部に来た日、大地さんは春高に行くって言った」
「春高。一次予選は8月だっけか」
おぉバレーのことはよく知ってるな西谷
「俺たちでもう1回行くって言った。敗戦に浸ってる余裕ねぇーよ」
なんか、決意が固まったようなので俺が口を開く
「んじゃ、次のこと考えようぜ。今のままがむしゃらに練習したって駄目だってことは分かったろ」
「なんかいい手あるのか?」
田中が身を乗り出してきた
鼻と鼻がくっつきそうだ
「田中近い」
「おぉすまん」
田中が離れた所で俺は西谷を見た
「西谷さ、トス上げれるようになる気ない?」
「おーあの青城のリベロのようにか」
相槌をうったのは田中だ
「そうそう。単調な攻撃になるって思っている所に普通のトスがあがる。これ案外嫌なんだよね」
俺は過去対戦した相手にそれがうまい奴が居たことを思い出し思わず苦笑いした
「で、やってみる気ない?」
「綾斗が練習つけてくれるなら俺はやるぜっ!」
「おーつけたるつけたる」
西谷はガッツポーズをしてみせる
「なぁ田所!俺には何かないか!?」
「た、田中はなぁー。うん。田中だからなぁー」
「なんだよ。ないのかよ」
「じゃぁ言うけどさ、お前力推しすぎ。もっと月島みたいにフェイントとかさ、賢くバレーしろよ」
「それは田中に言ったって」
「縁下どういう意味だ!」
「だから、迷ったんだよ」
俺がむくれると縁下は俺を見た
「で、俺たちは?」
「縁下?」
「そ、どうすればいい?」
縁下がそう言うと木下と成田も俺の方をじっと見てきた
なんか照れる
俺は少し考えてから口を開く
「どうもこうもレシーブ下手。目指せ、西谷とは言わないけど。大地さんくらい拾えるようにならないとこの先厳しいぞ」
「十分高い目標だな」
そう田中が言った
「ま、でも新しいこと始めないとな。個々もチームとしても技術が劣る分なにで補うかだ。今日早く終わるし行くだろ。体育館」
「「「当然」」」
そう全員で口をそろえて言った
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