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影山が帰ったあとも質問大会は続いた
もう俺が帰りたい
「はい」
「はい、成田くん」
「綾斗は付き合ったこととかありますか?」
「はぁ!?成田ずっと黙ってたと思ってたらなに言い出すんだよ。お前はそんな子じゃないと信じてたのに!」
「いやだって、気になるでしょ」
「まぁいいじゃないですか。ね、綾斗さん」
ホント月島怖い
てか、何で俺だけ辱めにあってんだよ
あーもうどうにでもなれ
「はぁ、あるよ、普通に女の子と。まぁでも2ヶ月くらいで『私、バレーしてる綾斗が好きだっただけみたい』って言われて別れたけどな」
「うわぁその女今すぐ殴りてー」
「なに言い出すの縁下!お前そんなキャラじゃないでしょ!」
「奇遇ですね縁下さん。僕も同じ気分ですよ」
月島ってこんなキャラだっけ
ホント月島怖い
あーけど、
俺は昔の自分を思い出す。普通にキスもしたし、やることもやった。
気持ちよかったかどうかで言えば断然気持ちよかった
けど、これじゃない感ってのは漠然とあった
多分、彼女には俺のそれが伝わってしまったんだと今は思う
彼女は俺を本当に好きでいてくれていた。それだけは確かだった
「ま、俺もそんな好きじゃなかったしな。友人に言われて付き合っただけだったし彼女だけが悪いわけじゃねーよ」
「なんか友人って言っちゃうあたり綾斗っぽいよな!」
「きっと友人って言われた人は綾斗の事友達と思ってたんだろうなぁ」
西谷と縁下が憂い染みた顔で遠くをみる
なんなのそこの結託。ねぇ?なんなの?
「俺たちもそのうちそう言われるんだぜ。友人って」
田中がしみじみ言う
「なんなのお前ら、俺のこといじめて楽しいか」
「楽しいか楽しくないかで言ったら楽しいですね」
「だな!」
今度は月島と西谷が結託する
「もうお前らホント帰れ」
月島が手を上げる
「じゃぁ最後に一つだけいいですか?」
「なにー」
「俺の事、月島じゃなく蛍って呼んでください」
「はぁ?」
「それいいね。じゃぁ俺の事も縁下じゃなく力で」
「俺も俺も!夕って呼べ!」
「俺も山口じゃなく忠って呼んでほしいです」
「じゃぁ俺も「田中は田中な」・・・」
「どんまい」
縁下が田中の肩を叩く
「もういいだろ。俺帰るぞー」
俺が立ち上がると全員立ち上がる
ぞろぞろと俺たちは体育館をでた
月島がデカい図体でちょこちょこと着いてくる
その長い足なら歩くのが遅い俺なんてすぐ追い越せるだろ。まだなんかあんのか?
「月島、まだなんかあるのか?」
振り返って聞けば少しむすっとした顔をしている
「あー蛍?」
小首を傾げながら聞けば少しにぱっとした、様な気がした
こいつ表情筋が乏しい
「僕、本気で綾斗さんのこと狙ってるんで。その事だけはちゃんと覚えて置いてくださいね」
そう言うと蛍は忠のところへと走って帰る
俺は自転車に乗り深く息を吐いてから漕ぎ始めた
なんだか今日は疲れた。早く帰ろ
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