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side 縁下力
綾斗の話を聞いたあと俺は田中、西谷、成田、木下と共に坂ノ下商店の付近まで歩いてきた
ふと田中が立ち止まり真剣な声を出す
「結局よ、田所がなんで東京から宮城に来たかは聞けなかったな」
「え、ばあちゃんのうちがあるって言ってたじゃん」
木下がそう言うと田中は腕を組み前を見据える
いつになく真剣な顔だ
「それはどちらかって言うと烏野に来た理由だろ。あいつ確かばあちゃんと2人暮らしって言ってた」
そんな話は綾斗から聞いたことがない
ま、あいつは俺にそう言う話しないからな
「え?じゃぁ親は」
田中に成田が聞く
「東京にいるんじゃねーか?俺もそこまでは詳しくは聞いてない。てか聞けねーだろ」
まぁだよな。さすがにそこまでは聞けないよな
「ま、何だっていいじゃねぇーか!綾斗は綾斗だ!」
西谷は相変わらずあっけらかんとしている
「ノヤっさんは田所に少し甘ぇんじゃねーか」
そんな西谷に苛立った田中は食って掛かるように西谷を睨み付けた
「龍っ!誰にだって言いたくない事くらいあるだろ!」
西谷も負けじと田中をにらみつける
お前ら2人目つき悪いんだから傍から見たらこえーよ
「けどよー。俺たち仲間だろ!」
「まぁまぁまぁ田中も西谷も落ち着けよ」
「「落ち着いてる!!」」
俺が2人の間に割ってはいると2人に同時に睨みつけられた
落ち着いてるやつは大声ださねぇよ
変えれる話題は持ってないが取り合えず田中と西谷を離さなければと西谷に話題を振る
「でもさ、西谷。一つ聞いていいか?」
「なんだっ、力!」
田中とのやり取りで興奮気味の西谷がまた俺を睨みつけてきた
ホント俺ら、綾斗のことになると冷静では居られないらしい
俺は一呼吸置いてから口を開く
「綾斗のこと、西谷はなんか知ってんのか?」
俺の質問に西谷はいつもと変わらないからっとした顔になり、いつもの調子で答える
「いや、全然!俺が綾斗に会ったのは中学の時の強化選手合宿の時だな!会ったといっても遠くで俺が見てただけで、そん時は名前も知らなかったし、話しもしなかったな!」
西谷はえっへんというように腰に手を当てる
何に威張ってるんだお前は
「じゃぁなんであんなにしつこく綾斗の事誘ったりしたんだよ」
「まだ、バレーボールやりたそうだったからだな!うん」
それだけの理由で普通あそこまで誘うかー
西谷らしいといえば西谷らしいが
「なんにしても、綾斗が自分から話すまで俺は待ーーつ!!」
西谷は両拳を空に突き上げドヤ顔をする
「はぁ、それしかないかー」
ブレない西谷をみて田中も冷静になったようだ
「じゃ、かえんべ」
「んだなー」
俺のその声を皮切りに俺たちはまた歩き始めた
綾斗の事はとりあえず、また保留である
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