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やっちゃんが仮入部してから初めての練習試合。
「扇西高校到着は4時30分だそうです」
そういって清水先輩とやっちゃんが入ってきた
俺はパイプ椅子を出し始めた
やっちゃんが清水先輩に言われパイプ椅子を出そうとすると日向がくる
「手伝う?」
「いいよいいよ自分の事やって」
「わかった」
ばちんっ
日向は自分の頬を叩く
それにやっちゃんが驚いている姿はこっちから見ていると面白い
「ぜってぇ負けねぇー」
「あの、今日の試合って練習試合だよね」
やっちゃんがもじもじしながら聞く
「おん」
「そのー。遠征に行くための勉強も本番じゃない試合もどうしてそんなに頑張れるのかなーって」
俺はそれを見守りながらパイプ椅子を出す
「?強くなって、勝ちたいから?」
「そっか、きっと色々理由があるんだね」
日向がスイッチの入った顔をした
「理由?勝ちたい理由?負けたくない事に理由って要る?」
「日向、その顔は試合のときだけなー。怖いから」
「え?あ、はい。綾斗さん」
すぐにいつもの顔になり、近くに来た影山に答えを求める
「なぁ影山、負けたくない理由ってわかる?」
「知るかそんなもん。腹が減って飯が食いたい事に理由があんのか」
欲求と同じレベルかよ
「だよなぁー」
それに同意ですかー
「ごめん。愚問だったね」
「「愚問?」」
その言葉に日向と影山が首をかしげると少し遠くから蛍の声がした
「愚かな質問。また、自らを謙って言う言葉。ついこの間やった!」
そのやり取りに俺は腹を抱えて笑った
2人が自分のことをやりに行ったので俺とやっちゃんでパイプ椅子を運ぶ
「まぁあいつらは脊髄反射で生きてるから。俺は、俺がまだ現役だった時は。勝ちたい理由ってのは色々合ったけど、負けたくない理由は等しく勝ちたいからだったよ」
パイプ椅子を並べてまた取りに戻る
「そんなもんじゃないかな。バレーを始めて、ハマって辞めて、それでも俺は戻ってきた。バレーを続ける理由も負けたくない理由もそう大して変わらないよ。だから、始める理由も大した問題じゃない。多分日向はこう言いたかったんじゃないかな。やりたいからやる、それだけだって」
「やりたいからやる」
「まぁでも、あそこまでやりたい事のためにやりたくない事頑張れるのはすごい事だけどな。褒めると調子に乗るから言わないけど」
運びならしゃべっていると扇西高校が到着したようだ
試合が始まった
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