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side 黒尾鉄朗
部活も終わり帰宅途中に研磨が携帯の画面を見せてきた
「クロ。翔陽から、田所綾斗が東京に来るって連絡あったよ」
「本当か!」
そこには
『綾斗さん?いるよ!合宿行くから会えるな!』
と文字が並んでいる
「うん。田所綾斗って人居る?って聞いてみたら、今烏野でコーチしてるんだって。合宿にも参加するみたい」
研磨が優秀な友を持ったと俺は興奮し拳を握り締めた
「クロ。嬉しそうだね」
「まぁなー」
嬉しいに決まっている
あの、田所綾斗だ
あれから俺は過去の田所綾斗の試合の情報を集めた
「ところで、田所綾斗ってどうな人なの?」
「あー研磨と同い年で、過去、Uー15要は、15歳以下の日本代表のキャプテンだった奴だ」
「へーそんなすごい人が烏野に居るんだ」
あ、研磨。興味ないな
研磨はゲーム機を取り出し始めた
「当時、弱小と呼ばれていた男子日本代表を田所綾斗が入った初めての大会でメダル圏内まで勝ち進んだって話だ」
「へー」
聞いといてホント興味ないんだな
それでも俺は話を続けた
「その成績をもじって当時の代表を蝮ジャパンって呼んだらしいぜ」
「マムシ?なにそれ変なの」
研磨が少し顔を上げる
「なんでも1代で乞食から大名までのし上がった斉藤道三をもじったものらしい」
研磨はまたゲーム画面に目線を落とした
「斉藤道三って・・・どんなプレーだったのか想像つかないや」
「田所綾斗自体はトリックスターとか悪魔の頭脳とか言われてたみたいだけどな」
「悪魔の頭脳か、クロにちょっと似てる」
「おやおや研磨くん。それはどういう意味かな?」
「別に...」
ぷいっとし、画面にかじりつくように研磨はゲームを始める
合宿、あの因縁の烏野がくるってだけでも楽しみなのに、それに加えて田所綾斗までくるとは
俺はニヤリと笑った
「クロ。顔、気持ち悪いよ」
「なんだと研磨!」
俺は研磨とじゃれながら帰路に着いた
早く合宿が始まればいい
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