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学校に着くと、音駒のキャプテンが俺たちを出迎えてくれた
なんか見られてる
目を合わせないようにっと
下を向いてその横をすり抜けようとした時、肩を掴まれた
「今日の夜、空き時間にちょと時間くれ」
一方的にそれだけを言うと俺からは離れ今度は大地さんのほうにいく
「綾斗、大丈夫?」
力の声が聞こえ、強張った肩から力が抜けていった
すぐ横に力の足が見える
「あぁ、力か。大丈夫」
下を向いたままの俺に力の顔は見えない
たぶん、力からも俺の顔はみえないはずだ
「そう言う顔には見えないけどな」
「うるせぇー」
時折、なんでもお見通しみたいなこいつに腹が立つ
「あんま無理すんなよ。お前には俺たちがいるからな」
「は、きもっ」
そういって前を向いた俺の頭をぽんぽんと叩き、力は夕たちの所へと戻っていく
特にでかいニュースになったわけでも
劇的な事が起きたわけでもない
けど、本当は知られているんじゃないかと言う恐怖
嫌な感じだ
憶測で自らを動けなくしているそんな感じ
分かっているが、思考はとまらない
止まらないように訓練した
そう、すべてはバレーのために
それが今、自分を追い詰めてくる
深く息を吸い、吐き出す
俺はここにこんな事をしに来たわけじゃない
今は俺のやるべき事をできる事をするのみ
そう言い聞かせ体育館へと向かった
side 澤村大地
前回のゴールデンウィークで顔見知りになった音駒のキャプテン、黒尾鉄朗が出迎えてくれた
体育館までの道のり、気まずそうに彼は綾斗の事を聞いてきた
「お前らさぁー、田所綾斗の事情なんか知ってんの?」
「いや、全然」
俺は素直に答える
「綾斗はさ、1年の時から西谷、うちのリベロが部に誘ってたんだけど入ったのはゴールデンウィーク明けのついこの間なんだ。知りたい事はいろいろあるけど、俺たちは綾斗が話すまで待つよ」
俺はにこっと笑って見せた
「だからさ、あんまイジメないでやってよ」
「こわぁー笑顔こわー」
へらへらと笑ってかわされる
ホント食えないタイプのやつだ
俺は肩をすくめ、これから綾斗に降りかかる不幸を危惧した
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