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俺は日向に声をかけ、一緒に他チームの試合を見て回る
「悔しい?試合出れないの」
「はい。でも、影山にトス上げてもらえない方がもっと悔しいから」
「そっか。じゃぁ上手くならないとな」
俺は変わらずスパイカーの傾向をメモして歩く
「日向はさ、どんなスパイカーになりたいの?」
日向の顔がぱっと明るくなって俺の方をむく
「小さな巨人みたいになりたいですっ!」
それってもうなってるんじゃないのか?
俺より小さい日向の言ってることはよく分からない
「それってどんなスパイカー?具体的には?こうズバーンって感じなの?それともシュッてトンって感じ?」
日向に分かりやすく身振り手振りをし日向に伝わる用語で話す
「え?は?ん?」
あれ?伝わらなかった・・・
俺は首の後ろに手をあて目の前の試合をみる
森然と生川の試合は生川が優勢に進んでいた
「ぶっちゃけさ。周りから見たらお前はもう小さな巨人じゃん?でかい奴らと戦ってる訳だし。だからその後、考えたことなかった?」
「・・・はい」
日向はしゅんっとして下を向いた
「じゃぁこれから考えよっか。どうなりたい?木兎さん?それとも黒尾さん?」
日向は考え込んだまま黙っている
「日向はさ、多分どっちにでも成れるよ。だから、いろんなプレーヤーの仕草、癖、テクニックじっくり観察してみな」
「はいっ」
日向は俺にあれこれ聞きながら、試合を見続けた
全練習が終わり、帰る時間になる
バスに荷物を積んでると赤葦が声をかけてきた
「今度、セットアップ教えてくれない?」
「へ?」
俺は小首をかしげた
「駄目。だよな」
「いや、俺のセットアップなんて参考になんないけど・・・。それでいいのなら」
「うん」
「なんだ、あかーしっ!いいなー。俺もまぜろーっ」
梟谷のキャプテン、木兎さんが両手を上げて走ってくる
「木兎さん。田所さんの迷惑ですから行きますよ」
赤葦はくるりと向きを変え木兎さんを回収して去っていった
「田所さんって」
小さくつぶやくとぞくっと背筋に冷たいものを感じる
みれば片や景山が羨ましそうに睨みをきかせ、片や黒尾さんが黒いオーラを放ちながらこちらに手を振っていた
どちらも俺には恐ろしくてどちらも無視した
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