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しばらくして俺が落ち着き、みんなが練習に戻った
ゲーム形式が終わりサーブ練習に入る
俺も立ち上がりボールを掴んだ
後ろから誰かに肩を掴まれる
「おい、なにやろうとしてんだ?あぁ?綾斗ぉー」
「ウカイサン」
振り向かなくても鵜飼さんが鬼の形相なのが分かった
「まさかサーブやろうなんておもってないだろうなぁ?あぁ?」
「そのまさかだったりー」
「たく、駄目に決まってるだろ」
「えー。俺、無茶はしたけど、無茶なプレーはしてないです。現に体力の限界にはなったけど怪我の悪化はしてないし!ねっ!大丈夫」
「綾斗、お前。バレーになると性格変わりすぎだろ」
「そうですか?あーでも、今日は一段と楽しいんです俺。多分今なら後悔なく死ねるくらいに」
俺は振り返り鵜飼さんをみた
「ま、死ぬ気なんてないですけど!」
そう言って小走りでサーブを打ちに行く
鵜飼さんの止める声が聞こえたが無視だ
エンドライン右端に俺は立った
ここが俺のベスポジ
両手でボールを持ち横回転をかける
そして打つっ!
ボールは左に曲がっていった
「なっ」
「はぁ?なんだよあのサーブ」
「反則だろー」
「取ってみてー!」
久しぶりだけど入ったー
よかったー
入らないとかっこ悪いもんなーこのサーブ
「通称、サイドスピンサーブ。実際見るのは俺も初めてだけどな」
鵜飼さんが武ちゃんに言っているのが聞こえた
初見が多いこのサーブは1点は確実に取れる
それ以外は案外拾われるけど
それでもサーブの処理に追われて相手を崩すことは出来る
同じモーションから今度はストレート
威力はないしコントロールもこれだけ
狙った所に打てないわけではないが確実にピンポイントでそこに行く訳ではない
びっくりサーブといった所だ
上に行ったら通用しない
俺は今度はエンドラインから9歩下がった
左手でボールを持ち思いっきり高く上げる
今度はジャンプサーブ
威力は影山や旭さんには敵わないし、よく取られる
一応は出来る程度でしかない
「うわぁーあれかっ!綾斗は出来スギか出来スギくんなのか!」
「菅原さん。綾斗さんが出来すぎてるってのは今更じゃないですか?」
「その才能少しは分けてほしいぜ」
「そこっ!」
俺はスガさん、蛍、田中を指差した
「俺のこと見てなくていいからサーブ打つっ!」
「「「はいっ」」」
3人は練習に戻った
「にしてもすごいなぁー。今度俺にジャンプサーブのコツ教えてくれよ」
「俺は旭さんの方がジャンプサーブ断然上手いとおもいますけど」
「綾斗!」
ちょっと怒り気味の鵜飼さんに呼ばれた
「はい」
「お前、そろそろ止めておけよ?」
青筋が立ってるのが俺にはみえた
見えたんだ。ついでに角も
「・・・はい」
俺はしょんぼりしながら鵜飼さんの隣に戻る
「たく、目を離すとすぐ調子に乗る」
「すみません?」
「当分、ジャンプサーブはなしな。怪我が悪化されたらこっちが堪ったもんじゃない」
「また明日もありますから、ゆっくりやっていきましょう田所くん」
「はい」
俺はみんなのサーブ練習をみた
あーホント俺、ここにいるみんな愛されてる
ホントに幸せだ
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