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自主練も終わり、着替えに部室に行くと影山に呼び止められた
「どーした?」
「あのーそのー。昨日はすみませんでしたっ」
そう言い影山は頭を下げる
俺は昨日の事を思い返す
昨日・・・あ、及川さん
「ホントだよ。って言っても、お前が岩泉さんに連絡してくれたおかげで及川さんと2人にはならなかったからな。許す」
そのせいで一日に来るメールの量が増えたのだが
でも
あの時及川さんと2人だったら、考えただけでぞっとする
根掘り葉掘り聞かれ、その後にどうなっていたことか
それを考えればメールの量が増えたことくらい、まぁ許せる
俺は首の後ろを掻く
「俺も、お前に謝らなくちゃな」
俺は影山に頭を下げだ
「気持ち任せにセッター辞めた方がいい。なんて言って悪かった」
「っ綾斗さん、頭上げてください」
俺は頭を上げる
影山は後頭部を掻きながら目を泳がせた
「及川さんに、日向がほしいトスに答えているのかって言われました。攻撃の主導権を握っているのは日向だって」
「そうか」
それが分かったなら及川さんの生贄になった甲斐あったのかな
「及川さんはすごい人だなー」
「え?あ、はい」
「俺には伝えられなかった事を影山に的確に伝えるんだから。影山」
俺は影山をまっすぐ見る
曇りのないまっすぐな目、こんなんが下に居て追われる立場なんて正直嫌だ
及川さんは本当にすごい人だな
「日向に置いていかれないよーにな」
「はいっ」
俺が、影山と同じ環境に居たらと想像した事がある
日向という輝く原石が居てセッターとして使いこなせるか
考えた事がある
答えはノーだった
俺は完成された人材の中にしか身を置いた事がない
だから、日向の様なじゃじゃ馬を扱いこなす経験が少なすぎる
それに、あんなドンピシャなトスを俺はあげられない
けど、それでもまだ影山にセッターとして負ける気はしない
「俺、バレーボールはもっと体がちゃんとしてからって思ってたけど負けないから。影山にもスガさんにも」
「俺も、負けません」
俺はニコッと笑う
「今の話、みんなには内緒な。青城に会った事も、俺が無茶しようとしてることもな」
影山が首を傾げる
「みんな心配性だから」
影山は今度は少し納得したような顔をした
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