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俺は次の日から1セットだけと言う約束でリベロとしてBチームに入ってもいい事になった
初日の時の事はもうなく、自分の体が昔とは違うと言うことを頭だけじゃなく体でも理解できてきたのだと思う
基本的にはみんなにコーチとしてアドバイスなんかをしつつ、俺は自分が復帰する事を考え医者に毎日出来るトレーニングを組んでもらい
病院にいくのも週に1回のリハビリにしてもらえる所まできた
その分みんなの自主練に参加したりと蛍との時間はめっきりと減ったのだった
「おい綾斗。ちょっと」
「はい?」
ゲーム形式の2セット目が始まり俺がコートから下がると鵜飼さんに呼ばれる
鵜飼さんは俺の横に立ちコートを見ながら小声で話し始めた
「月島、どうだ?」
「どうもこうも見ての通りですよ」
相変わらず100点を取りに行かないスタイル
悪くもないがよくもない
「このまま実力で抜かれるならレギュラーをはず事も考えねーと」
「大丈夫ですよ。手は打ってはあるんです。それにあいつ案外負けず嫌いだから日向に負けたままで居られないと思いますよ」
スガさんが上げたボールを力が決めた
「綾斗の言ってる事、信じていいんだな」
「はい。俺、この中じゃ誰よりもみんなの性格把握してる自信があるので行動なら予測できます」
「お前に掛かればみんな手の中で踊らされているって訳か」
「ひどい言われようだー」
最近俺、鵜飼さんの前ではかなりキャラ崩壊してる気がする
なんとなくこの人の前だと年相応にしていてもいい気がするんだ
昔みたいに大人にならなくてもいい気がする
俺に取っては不思議な人だ
「あーそれとだな。綾斗に頼みたいことがあるんだけどいいか」
「いいですよ」
言い辛そうにそう鵜飼さんが切り出したから俺は即答する
「せめて内容を聞いてからにしろよ」
怒られた・・・でも内容なら大方予想がついていた
「多分、今度の合宿で俺をセッターにしたエキシビジョンマッチじゃないですか?」
鵜飼さんが驚いた顔をし、コートから目を離し俺をみた
「なっ、なんで」
「滝沢さんが居ましたからそうじゃないかと、いいですよ」
鵜飼さんはさっきより大きな声を出して俺を説得しに来た
「綾斗が断れば、断れる話なんだぞ。無理に出てまた怪我でもしたらどうするつもりだ」
鵜飼さんってば俺の心配ばっかりだな
「でも、俺まで話が回ってきたって事は鵜飼さんじゃ断りきれなかったって事ですよね」
「うっ」
どうやら図星のようだ
「梟谷グループの合宿に参加させてもらうに当たって今、烏野が提供できるものがないですからね」
こう言う他校との合宿の時は、みんな何かしら持ち寄るのが普通だ
それが場所だったり人脈だったり、あと布団とか
けど、烏野は金もなきゃ場所も遠い
現状で持ち寄れるものがないが、元U-15のセッターには興味がある
だから俺に白羽の矢が立った
「ホントなんでもお見通しかー。怖いわ」
鵜飼さんは諦めたように肩を落とした
「その代わり体のことを考えて15点マッチデュースなし。相手は梟谷と言う条件でお願いします」
「すまん。恩に着る」
「烏野が全国行ったらチャラってことで」
「随分でかい借りをつくっちまったなー」
鵜飼さんは困ったようにけどうれしそうに笑ったので俺も笑った
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