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練習が始まり俺は烏野のベンチにいた
鵜飼さんが俺を横目で見てまたコートを見る
「今日は他のチーム見なくていいのか?」
「あー、はい。そろそろ俺もセッターの準備しないとなーと」
「だからって試合には出さないぞ」
うっ手厳しい。あわよくばリベロででも出ようと思ってたのに・・・
影山のトスは日向に届かなかった
ほーあれが落ちるトス。あのスピードで打点で止めるとか俺には出来ないわ
「わかってますって。ただ今、進化のときを迎えてるから見ておかないと俺がおいて行かれちゃいます」
「見るだけで追いつくお前が怖いわ」
「ひどいなぁ鵜飼さんは。できるなら入りたいですよ俺だって」
そりゃぁ出来るならばみんなと合わせてみたい・・・
「けど、俺は選手じゃないから。ただのエキシビジョンマッチにみんなを巻き込む必要はないです」
あくまでも俺は選手ではない
それは俺がわきまえるべき所だ
悔しいがわかっている
「ホント綾斗は。もう少し子供でもいいんだぞお前は。そんなに早く大人になってどうするんだよ」
「鵜飼さんの前では十分俺子供ですよ」
「ほんっと可愛げがねぇー」
練習が終わり、烏野は見事全敗。
「鵜飼さん」
俺は体育館を出て鵜飼さんを探した
「どうした?綾斗」
「これ、一応エキシビジョンマッチの俺のオーダーです」
「げっなんだよ、これ」
鵜飼さんは眉間に皺を寄せる
「交代のタイミングに失点と得点まで書いてあるじゃねーか」
「一応俺の予定です。一応俺の思い通りにならなくて負けるタイプもありますけど、要りますか?」
俺はもう一枚ポケットから紙を取り出す
「いるかっ!」
う、睨まれた・・・
「ん?影山と日向は入ってないんだな」
「影山はなんかセッターしかやりたくないみたいだし、俺、日向を扱う自信ないんで」
取り出した紙を俺はまたポケットにしまった
「まぁ気持ちは分かる。俺もセッターとして使えって言われたら困るからな」
「でしょー」
「けどよぉー。これで勝てるのか?うちが通用するのは日向と影山が居るからだろ」
「それは大丈夫ですよ。烏野の攻撃力は勝ってはないけど負けてもないですから」
俺はニヒルに笑う
「俺があいつらの負け癖払拭させますよ。なーんて」
「大した自信だなーっ」
「一応世界見てますんで」
冗談交じりに俺が言えば
「はいはい。さーせんでした」
もう聞き飽きたとばかりに顔の横で鵜飼さんが手を振る
「鵜飼くーーん。猫又先生が早くしろって呼んでますよ」
「わかった。今行く」
武ちゃんが少し遠くで鵜飼さんを呼んだ
それに鵜飼さんが軽く手を上げて答える
「じゃ、俺も自分のトレーニングもありますし、あいつらの面倒も見なきゃなので行きますね」
「おーあんま無理すんなよ」
俺は来た道を戻るために振り返った
「はーい」
そのまま手を上げて答える
「ほんとに分かってんのかよ」
「鵜飼くーん」
さっきよりも近くで武ちゃんの声がした
「わかったってっ!」
少しいらだったように答える鵜飼さんの声が聞こえる
俺はそれに笑って少し駆け足で体育館に戻った
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