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side 黒尾鉄朗
「いつから見てたんですか?」
小さくため息を着いた綾斗はメガネ君から離れた
お、メガネ君不服そう
「君たちがこの部屋に入っていくところから」
「つまり最初からって事ですね。クロさん」
面倒くさそうな顔をこちらに向けた綾斗の顔には『この人、たち悪いなー』と書いてある
そりゃぁ俺だって綾斗を狙っている1人として抱きしめてたら乗り込むに決まっているだろ
「で、黒尾さん。僕らの邪魔をした理由はなんですか?ないなら帰ってもらえません?」
綾斗が目の前にいるメガネ君をグーで軽く叩く
「こぉら、一応先輩だろ。それに蛍、クロさんから色々教えてもらってるらしいじゃないか。そう言う言い方しないの」
主犯のくせにまるで自分は関わっていないような言いぶりに思わず関心する
「メガネ君は気づいてないかもしれないけど、俺と綾斗は今度デートするような仲なの。だからその話し合いしに来たんだけど、お邪魔だったかな?」
綾斗に向かってにやりと笑うと心底嫌な顔をされた
その顔ですら愛おしいと思ってしまっている俺はホント末期なのだろう
「本当なんですか?綾斗さん」
「あ?あー。うん。まぁ」
歯切れの悪い綾斗にメガネ君が眉を顰める
「綾斗さん。何か弱みとか握られてるんですか?」
「弱みって何だよ。…弱みなんてないし」
綾斗がメガネ君から目を逸らした
それをメガネ君が見逃さなかった
「その言い方はありますよネ?僕になに隠しているんですか?」
これは綾斗が自分で煽れないと言うわけだ
「なんもないよ。うるさいなー」
「そうやって誤魔化すの、よくないと思いますよ。綾斗さん」
「お前は俺のおかんか」
俺はメガネ君の肩をたたく
思わず笑みがこぼれた
「まぁまぁメガネ君。そんな焼もちなんて焼いてたら好きな子に逃げられちゃうよ」
メガネ君が青筋を立てる
「黒尾さんには負けませんから」
そう言い残すとメガネ君は教室から出て行った
「じゃ、俺も」
ゆっくりと俺の横を通り過ぎようとする綾斗を俺は後ろから抱きしめる
「逃がすかよ」
「はぁー。みんなして、いい加減俺をからかうの止めてもらえませんかねぇ」
綾斗は俺の腕の中で大人しくしていた
俺に見せる綾斗の顔はいつもしかめっ面、少しは研磨に見せたような笑顔を見たいと思うのはよくばりだろうか
「からかってねぇーよっ」
「あー。はいはい」
また信じてない
綾斗って自分の技術には自信があるくせに、自分自身には自信がない
好かれると言う事を信じられないのだろう
だからたぶん、俺がこいつにどんなに好きと言ってもキスしても抱きしめても信じない
他のやつにすぐに取られる心配がないと言えばそうだが、俺の気持ちにも気づいてもらえない
どうしたものか
俺は綾斗を離し自分の方を向ける
優しく頭を撫でた
綾斗は少し気持ち良さそうに目を細める
しかめっ面以外も見れたし、今日はもう満足かな
「デート楽しみだなー。東京方面でいいよな?」
「どこでもいいよ。クロさんの好きにして」
「綾斗なぁ、デートなんだからお前も少しは考えろよ」
綾斗は目を伏せた
「…水族館」
「へ?」
「美術館でもいい」
なんていうかそう言う趣味があったとは
「絵がいいのか?生き物系?」
俺の様子を伺うように目線を上げた
「アートだったらなんでもいいかな」
目を伏せた後、上目遣いで見てくるのは反則だろ
「わかった。俺に任せなさい」
綾斗の趣味も知れたし今日はいい夢が見れそうだ
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