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怪我の代償は
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あの後、みんなが来る前に俺は研磨くんと一緒に夕食と風呂を済ませ、布団に入った
痛めた左足はガチガチにシップがしてある
翌朝、俺はいつものようにみんなより早く起きた
布団の中で、もぞもぞとシップをはがし誰にもばれないよう食堂のゴミ箱に捨てる
緩めのジャージのズボンの下は練習の時以外は外していた医者から勧められたサポーターをつけた
誰にもばれないように出来るだろうか
朝の新鮮な空気を吸いに俺は外にでた
小さくため息を着く
「浮かない顔だね、田所さん」
軽く汗をかいた赤葦がそこには居た
「お、おはよー赤葦」
「おはよう。田所さん」
誰も居ないと思っていたから一瞬驚いた
「今日も朝練?」
「うん。木兎さんに付き合って」
「大変だな」
「そうでもないよ」
俺はストレッチしている赤葦の隣に座った
「赤葦ってあれだよなー。意外と熱い男だよな」
「え?」
「一見クールって感じ」
「いやまぁ、キャプテンの木兎さんがあれだからね。冷静にならざる終えないっていうか」
「あーなるほど。うちの連中とは大違いだな」
「烏野はキャプテンしっかりしてるよね」
「大地さんみたいな人じゃなきゃ、あんなサーカス団みたいな連中まとめられないだろ」
「確かにっ」
俺は赤葦を見上げ顔を見合わせて笑った
「田所さん。それ、黒尾さんや月島の前ではやっちゃ駄目ですから」
「は?何言ってんだよ?」
「いや、その顔反則。そんなに見上げられたら俺だって・・・やばいです」
心なしか赤くなった顔を赤葦は俺の居る反対側へと向けた
「いや、意味わかんねーし。赤葦まで俺をからかうな。なんだ?最近流行ってるのか?」
俺そんなにいじって楽しいタイプの人間じゃねーよ
「あーそうだ。赤葦には謝らなきゃな」
「なにを?」
赤葦はまた俺をみる
やっぱさっきのはからかってたんだな、この野郎
「セットアップ。やっぱ教えられそうにないや」
「あーその事か。大丈夫。対戦してなんとなく分かった。教えてもらっても俺には無理だろうなって」
俺の頭をふと昔の言われた言葉がよぎる
『お前のキモいバレーなんて誰が知りたがる』
「そっか、ならよかった」
俺は立ち上がり赤葦に笑って見せた
上手く笑えただろうか
「俺、エキシビジョンも終わったし、しばらく練習する必要もないから食堂手伝ってくるわ」
そういって中に戻る
赤葦が何か言っていたが聞こえなかった
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