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side 及川徹
部活終わり、携帯を確認する最近の日課だ
「岩ちゃーーん。あーやんから返信来ない!」
「俺は着たぜ」
「俺もー」
「俺も昨日来た」
岩ちゃん、マッキー、まっつんが俺に一斉に携帯画面を見せてくる
そこには確かに俺が返信を待っている人物。田所綾斗の文字
「なんでさ、なんでみんなには返信着てるのに、俺には来ないのっ!」
「お前がうざいからだろ」
岩ちゃんがそう言うとみんな自分の画面と睨めっこし各々返信を送る
「俺が綾斗の立場でも及川にだけは返さないわなー」
「まっつん酷いっ!」
「てか、くそ及川」
さっきまで上機嫌だった岩ちゃんがなにやら青筋をたてていた
「綾斗が俺によこすメッセージの大半がお前のクレームだ」
「マジで、どれどれ」
マッキーとまっつんが岩ちゃんの画面を覗く
「うわぁホントだ。岩泉かわいそー」
「だってだって、あーやんが冷たいんだよー」
「そりゃそうだろ。おやすみちゅっちゅっなんて送られてきたら誰でも引くわ」
どうやら俺が送ったメッセージをスクショして岩ちゃんに送りつけたようだ
マッキーが着替えながら俺に言ってくる
「お前のファンなんていっぱいいるんだから何も綾斗に固執する必要ないだろ」
「いやーだー。俺はあーやんがいいのー」
「及川お前、俺に男とかないわー的な事言ってなかったか?」
「岩ちゃん、そんな事言ってないじゃんっ!俺は女の子から相手にされないからってあーやんをそんな目で見るなんてって言ったのー」
「いや、どっちもどっちだろ。それ」
マッキーがなんか言っているが無視だ無視!
「あー、俺もあーやんと合宿したいー。1つ屋根の下で同じ釜の飯をたべたいーぃ」
部室の戸が開く音がした
「岩泉あとよろしくー」
「じゃ、お疲れー」
「ちょっ、マッキーっ!まっつんっ!」
バタン
気がつくと残っているのは俺と岩ちゃんだけのようだ
「早くしろ、クズ川」
「ちょっと待ってよ!岩ちゃん」
もうみんな俺に冷たいんだからっ
side 田所綾斗
今日の練習が終わり、清水先輩に心配かけないために少し体育館に残った
あらかじめ研磨くんに頼んでおき呼び出されたのを装って体育館を後にする
研磨くんとの時間は嫌いじゃない
俺、あんまりしゃべらないタイプの人好きなのかなー
ふと、昔の遠征でよくこうやって若利さんと歩いていた事を思い出した
「へっぷしっ」
「大丈夫?綾斗?」
俺は思わず両手で二の腕をさすった
「ん、大丈夫。なんか寒気がしただけ」
「怪我悪化した?やっぱりみんなに言った方がいいんじゃない?」
「それだけは嫌なんだ」
見上げれば夕日の沈む中にもう一番星が輝いていた
「もう、昔のようにバレーから逃げ出したくないから」
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