アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2
-
蛍の背中に揺られながら烏野の部屋まできた
「綾斗さんつきましたよ」
「えー。もう?」
俺はだるくて降りるのもめんどうになった
「けぇー。風呂ーぉ」
「わかりましたから1回降りてください。タオルとか準備しないとお風呂にも行けないデショ」
「蛍が準備してよー」
俺は今だゆらゆらと揺れる背中に乗ったままだ
「ホントどうしたんですか?綾斗さんらしくないですヨ」
「別にー」
俺を乗せながら準備しているらしい蛍は右に左に忙しそうだ
あー熱い
「蛍、熱い」
「それは僕じゃなくて綾斗さんデショ」
「え?俺?」
確かに汗かいてる
「木兎さんとやりあったからなー」
「そうですね」
上手く回らない思考の中でも蛍の声色が変わったのだけはよくわかった
「あれ?蛍、不機嫌?」
「まぁ。あれだけどシャットできないとか言ってたのに木兎さんにどシャットしてましたからネ」
そのことかぁー
「あれは、木兎さん1人だけマークしてればよかったから出来たんだよ。じゃなきゃ無理に決まってるだろー」
「1人だけマークしてればって。それで出来たら苦労しないですよ」
「馬鹿。苦労してここまで来たの-ー。俺は」
にしても
「けぇー。熱いー。てか、くらくらするー」
「綾斗さん。それってもしかして熱・・・ありませんか?」
「え?」
そこからは風呂どころではなかった
布団の上におろされた俺は蛍が濡らしてきたタオルで体を拭かれ寝巻きのジャージを着せられた
「綾斗さんあとやってほしいことありますか?夕食どうします?」
「んー。取り合えずいいや。あ、俺の携帯の立花さんって人に電話しておいてー」
「え?」
「東京の時の主治医だった人。どうせ先生にばれたら両親に電話するだろ。うちの両親捕まんないからさ。立花さん事情知ってるし、医者だから来てもらって。頼むわぁー蛍」
俺は布団に包まり目を瞑った
あーぐるぐるする
どうせ、怪我の炎症から来る熱だ
寝てればよくなる
中学の時よくあったことで大した事じゃない
あの時は、立花さんしか心配してくれる人がいなかった
だから合宿の時も練習の時も上手く誤魔化せたのに
うまくいかないな
そう思うのに、俺は口角が上がるのを止められない
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
99 / 136