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ストレートな言葉。蛍らしくない
「なんの冗談。クロさんにでも言えって言われたのー?」
「何でそこで黒尾さんが出てくるんですカ」
少し不機嫌な蛍の声が聞こえた
「だって、蛍らしくないじゃん」
「それは綾斗さんが!いつまでもはぐらかすから」
少し強くなった蛍の口調は後半に萎んでいく
はぐらかす…かー
「好きってなんなんだろうね。俺にはいまいちわかんない感情なのかなー?」
例えば、嫉妬。
彼女が他の男と仲良くしているのを見て悔しがる友人がいた
俺にはそれがわからなかった
人は1人では居れないし1人だけと接し続ける事も出来ない
それをわざわざ悔しがったり怒ったりする意味がわからなかった
その子が自分よりそいつの方がいいと思ったならそれはしょうがないじゃないか
そいつのいい所が自分のいい所より彼女にとって優勢だった。それだけの事じゃないのか?
「綾斗さんは誰かを好きになった事ないんですか?」
「好きかー」
俺は想像する
「大切な人ならいるよ。大切な場所もある。でも多分それは好きとは違う」
俺は多分
「ラブとライクの違いって昔言われたかなー」
これがわからない
昔友人にそう言われた
お前はラブとライクの違いがわかってないんだ、と
「それに今、俺の心を奪ってるのはバレーボールかなー」
「うわぁー」
「何だよー蛍」
「いや、確かに綾斗さん、他の人には振り回されないのにバレーには振り回されてるなって」
蛍がすっと俺の手の中から手を抜いた
そして布団から出る
「もういいデショ。これ以上は僕が持たないんで」
「ん。ごめん、ありがとうなー蛍」
俺はそう言うと意識が遠のいていくのを感じた
side 月島蛍
辛くなって綾斗さんの布団から出た
布団の中に誘ってくれた時の高ぶった感情はどこにいったのか
今は冷たく冷めている
「綾斗さんにとって僕もその他大勢と変わらないんですか」
この声は寝ている綾斗さんには届かない
ここにいるのが黒尾さんでも大王様でも綾斗さんは同じ行動を取ったのだろうか
あー辛い
こんな人好きになるんじゃなかった
なんでもそれなりに上手にこなして来た筈なのに
ここ最近、バレーも恋も上手くいかない
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