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リハビリ
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目が覚めてるとそこからは立花さんが言ったとおりの1週間だった
俺にできる事はただ横になって痛みが去るのを待つ事だけ
「やっほー、あーやん」
痛みが引け熱も治まった頃、なぜか及川さんが朝イチで病室に来た
「何しに来たんですか?あんた」
ここ東京だぞ
「なにってあーやんのお見舞いにきたんじゃん!あーやん冷たいッ!」
及川さん傷ついた!と少し大きな声で不貞腐れながら及川さんは俺のベッドの隣にある椅子に腰かけた
「部活はどうしたんですか。ずいぶん余裕ですね」
「今日は部活休みなのッ!あーやんの為に夜行バスで来たっていうのにッ!」
「あーはいはい。スミマセン、アリガトウゴザイマス」
「全然そう思ってないじゃん!本当にあーやんは及川さんに冷たいッ!もっと優しくしてくれてもいいじゃん!」
いちいち俺の言葉に反応する及川さんが可笑しくて俺は思わず笑った
「自分でさんとか言わないで下さい。来てもらっても俺ここから動けませんよ?」
「うん。わかってるって。俺はあーやんの顔がみたくて来ただけだから」
ニコッと笑う及川さんに年相応のあどけなさを感じる
年上にそんなことを思うのは少しおかしいかも知れない
「物好きですね」
少し落ち着いた声で及川さんは言う
「好きな子の顔をみたいって思うのは普通でしょ」
相変わらず及川さんは、嘘か本当か分からないようなことを言ってきた
「そう言うことは可愛い及川さんのファンにでも言ってあげてください」
「なにあーやん?ヤキモチ?」
ニヤニヤと笑ってくる及川さんにムカついた
「言ってろ」
「ひどいっ」
もう少しで椅子から落ちるんじゃないかというオーバーリアクションをする及川さんを無視して俺は話を変える
「で、本当に何しにきたんですか?わざわざ東京に」
「えっ!無視された!」
うん。うるせぇこの人
「だから!あーやんの顔を見に来たのぉッ!」
「いや、それはわかりましたから。俺が聞いてるのは他の用事ですよ」
「いやないけど?」
心底わからないというような顔を向けてくる及川さん
「はぁ?」
俺は思わず眉間に皺がよった
「だから、ないって!俺帰りは新幹線で帰るからその時間まであーやんのそばにいるつもりなんだけど」
焦ったように喋りだししりすぼみになった声に俺は心底呆れた
「あんた…馬鹿だろ」
「ひどいっ」
今までも散々な言い様をしたのには傷ついた様子もなかった及川さんだったが、今度は本当に傷ついたらしく動かなくなってしまった
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