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季節は夏も終わりに差し掛かった
手術を終えて早1ヶ月
俺は歩くなどの基礎運動ができるくらいには回復した
「バレーしたい」
「まだダメよ」
筋トレをしていると書類を持って俺の目の前に座っている遼子さんに即答で返される
春高に間に合うのか、焦りが俺の中によぎった
「間に合わせるわ」
書類に目を通したまま、まるで俺の心を読んだかのように顔色1つ変えずそう呟いた
「信じてますよ。その言葉」
「当然よ。貴方は黙って私の組んだメニューをこなしなさい」
俺はただその一言を信じて、また目の前のメニューを睨み付けた
筋トレを終えて携帯を見るとクロさんからメッセージが入っていた
『土曜、品川駅11時。楽しみにしてて』
そう言えば、蛍の面倒見てもらう代わりにデートする約束まだだった
毎週土曜はトレーニングは休みだって伝えたからか
『了解』
俺はそう短く返して俺は更衣室をでた
「遅いわよ綾斗」
更衣室を出るとすぐに遼子さんがいた
「どうしたんですか?声かけてくれればよかったのに」
「レディが男子更衣室になんて入れるわけないでしょ」
「あ、すみません」
「立花が時間ができたから久しぶりに3人でご飯に行こうって」
「珍しいですね」
立花さんのお宅にお邪魔になっている俺だが、多忙な立花さんに会うのは朝のほんの数分だけだった
「あんたのためよ。さっさと行くわよ。私の立花が待ってるんだから」
そういうと遼子さんはさっさと歩きだしてしまった
近くの小さなイタリアンレストランに入り注文を終えると立花さんはすぐに俺のリハビリの話を始めた
どうやら10月に行われる春高予選には間に合うようだ
宮城でも真面目にリハビリをしていたのが功を奏したようで思ったよりも筋肉がついていたようだ
だだし、全試合に出るなど言語道断、1セット丸っとも出ることは叶わないと念を押された
でるにしてもせいぜいピンチサーバー、それも飛ぶなんてことはするなと
立花さんの言葉はほぼ何もできないと言っていることに等しく俺は落胆し、そのあと来た料理はおいしいはずなのに味気ないものに変わってしまった
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