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医者として
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said 立花医師
綾斗を部屋に送り俺は遼子マンションへと来ていた
風呂から上がりガウンを着てソファーに座った俺に先に上がっていた遼子が両手に赤ワインをもって隣に座った
「あんな言い方しなくても良かったんじゃない?」
遼子は俺の前に一つ置くともう一つに口を付けた
「なんのことだ」
俺も目の前に置かれたワインに口を付ける
相変わらずうまい酒を置いている
遼子はグラスをくるくる回しながら少し座った眼で俺を見つめる
「あの子の体、ほぼ完治してるわよ。立花だってわかってるでしょ」
俺は一度遼子を見、すぐにワイングラスへと目線を移した
そんなこと遼子に言われるまでもなくわかっている
綾斗の主治医は俺で、医者として俺が一番あいつの体を知っているのだから
「俺が綾斗にしてやれる事はほんの少し骨を削ってほんの少し神経の圧迫を軽減してやることくらい。痛みは取れても何も治ってなんていない」
「それでも世の中はそれを完治というし、その痛みの中で戦っているアスリートは山のようにいるわ。あなたは綾斗に甘すぎるわ」
「リハビリしてる時の綾斗の顔見てるだろ」
通りがかりちらりと覗いたリハビリ室
遼子のいないところでも必死に丁寧に体を動かす綾斗の姿を思い出す
遼子は心底気持ち悪いものを見た顔で俺を見た
「えぇそれはもう、うんざりするくらいキラキラしてるわよ」
「もう二度とそれを曇らせたくねぇ。曇らせるくらいならアスリートになんてならない方がいい」
「ホント甘すぎるわ」
飽きれるように吐き出した遼子を黙らせるために唇をふさいだ
遼子の首筋に赤ワインが一筋滴る
夜はまだ長い
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