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first day
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ふぅ。
今日で何回目の溜息だろう。
職員室の自分の席に腰掛け、髪をクシャクシャと掻きむしった。
ボサボサになった髪を手ぐしで整える。
緊張の糸が解けて体全体から力が抜けていく気がする。
ダメだダメだ。
まだ今日は他のクラスで2時間授業がある。
しかも今日は初日だから、50分授業を丸々オリエンテーションに使う。
こんなんで疲れてちゃこれからが思いやられるわ。
「宮崎先生、お疲れ様。」
そう言って冷たいお茶の入っているマグカップを俺の机に置いてくれたのは、隣のクラスである2-12の担任の木下先生。
朝話したばっかだけど、いい人だって既に分かる。てか、めっちゃ男前のイケメンさん。
俺より2歳年上で、英語の担当らしい。
「もう、なんか緊張しっぱなしで…お茶、わざわざありがとうございます。」
軽く頭を下げる。
気も効いて、顔も申し分なけりゃ、モテるんだろうなー。女子生徒とかにも告られてそう。
「初日はねぇー。俺もそうだったわ。あ、飲み物、何が好みか分からなくて、お茶にしちゃったけど、大丈夫だった?」
やっぱ誰でもこんな緊張味わって成長していくんだよなぁ。としみじみ思う。
「はいっ!冷たくて美味しいです!いろんな意味で汗だくだくで…」
「そっか、それはよかったわ。」
このスマイル、俺が女子なら恋に落ちるほんの手前ってやつですな。
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