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broken heart
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「あっつーーい」
放課後の教室で、パタパタと日本史の資料集で扇いでるのは三浦向葵。
冷房は、学校の決まりで放課後は切らなくてはいけない。
さっきまでは効いていたけど…
「悪いな…場所変えるか?第三職員室ならクーラー効いてると思うけど。」
第三職員室というのは、生徒が先生に問題を質問したり、面談する際使われるらしい。
昨日、第三職員室の前を通ったら、けっこう生徒や先生がいた。
だから職員室っていうような違うような…。
俺も二日目だからよく分からん。
「んー?何の話すんの?」
いつもとは違う真面目な顔だ。
「お前のモデルの話。」
一瞬、眉がピクっと上がった気がするけど、すぐに口角を上げる三浦。
「そんなとこだと思ったー。ここがいいかな。暑いけど、先生も同じだもんね?」
やっぱり、他の生徒とかには聞かれてはよろしくないんだろう。
「ほんと、ごめんな。」
「いいよ。んで何?聞きたいことがあんの?」
少し突き放した言い方な気がしたけど、こんなところで怯んではいられない。
ハンカチで額の汗を拭い、ネクタイを少し緩めた。
本当はダメなんだけど、そうでもしないと息苦しい雰囲気がそこにはあった。
「お前のことをどーこー言うつもりもないし、学校は認めてるって聞いたから辞めろなんて言わない。しかも俺は予備校では教えてたけど、学校で教師を教えるのは今日で二日目なわけ。だから教師っぽく偉そうに言おうとも思ってないし…」
三浦はおちゃらけた風でもなく、かと言って真剣なわけでもない。
俺のことをただ呆然と見ているだけ。
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