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truth or lie
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屋上の分厚い扉を目の前にして少し佇む。
本当に屋上にいるんだろうか。
近藤は、三浦は何かあると屋上に行く、と言った。
いるとしたら、何かあったってことだ。
俺の頭には、三浦と話したときのあの無表情な顔がちらついていた。
全てに失望したような顔。
あの顔は見たくないんだ。
時間も迫ってくる。
ひと呼吸置いて、重い扉を開けると、
生温く、もわっとした空気が俺を包んだ。
足を進めてすぐに、人影を見つける。
近藤の言う通りだった。
「おい、お前遅刻だぞ」
後ろ姿に近づきながら、声を少し張り上げる。
スローモーション再生しているかのように、ゆっくりとそいつはこっちを振り向いた。
「先生…」
俺は、ハッと息を飲んだ。
その顔はあまりにも哀しみが滲んでいた。さっきはいつも通りに呑気だったじゃんか。
「どうしたんだよ…」
今日はいい天気なんだな。
太陽がサンサンと照りつけている。
三浦は太陽に負けないくらい眩しい笑顔を向けてきた。
「雲…雲見てたんだよ」
くるっと振り返り、空を指差す。
「なんだよそれ……本当に。何があったんだよ?」
そう言うと、さっきまで咲いていた笑顔の花は一気に枯れた。
また哀しみの色が濃くなる。
「せんせ…」
今度は三浦が近づいてくる。
「な、なんだよ…」
それにしても近づきすぎな距離に焦る俺。
「ごめん…」
その瞬間、腰をグイっと掴まれ引き寄せられた。
「お、おおおい!」
腰に腕を回されて、肩に頭をズドンと乗っけられた。
いわゆる、ハグってやつですか?
なんでこうなってんの????
「暑いから離れろよっ!」
いや、涼しかったら抱き締めていいって言ってるわけでもないけど!
「ごめん…もう少しこのままにさせて?」
さらにギュッと抱き締められる。
俺よりデカい男が男を抱きしめてる画なんて誰かに見られたら恥ずかしすぎて死ねるな。
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