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truth or lie
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「佐野??どーした?」
スッと手を離したのは、俺のクラスの佐野颯。
「先生、ちょっといいですか。」
そう言ってスタスタと階段の方へと歩いていく。
「ちょ!おい!」
何がなんだか分からないけど、取りあえず着いていくと、階段の少し手前の死角となる場所で止まった。
「先生、向葵のことにあんまり突っ込まない方がいいですよ。」
いきなり訳の分からないことを言われてポカーンとしてしまう。
この数ヶ月見てきたところ、佐野颯はなんで1番下のクラスなのか分からないくらい成績優秀で、所属している水泳部でもいい成績を残している。
そんな彼が三浦と接点があったようにも思えないし、なんでそんなことを言うのかがさっぱり分からない。
「どういうことだ?」
フッと口角を一瞬上げて、佐野は言った。
「向葵に振り回されるってことですよ。」
…確かにもう振り回されてる気がするんだが。
「なんでお前がそう言うの?」
すると眉間にシワを寄せた後、すぐに元に戻って口を開いた。
「それは…まぁ置いておいて。ただ、向葵とはあんまり密接に関わらないほうがいいですよっていう忠告です。」
少し困ったように笑ってから、
ーーーでは、止めてすみませんでした。さようなら。
と言って、そのまま階段を降りて行った。
俺はなんだかスッキリしないまま、密接に関わってはいけないらしい三浦が待っている5階へと足を運んだ。
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