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truth or lie
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「っ…」
そんな真面目な顔で言われたら、なんも言えなくなるじゃねぇかよ。
「…付き合ってください」
もう何が正しくて何が間違いなのか分からなくなってくる。
俺と三浦は教師と生徒である前に男同士だし…恋に臆病になっている俺に、付き合うなんて女の子から言われても戸惑うだろう。
なんで…
好きになんか…
何秒も目を合わせるなんて出来なくて、顎を掴まれてるまま視線だけ逸らしてしまう。
「せんせ…」
呼ばれてまた目を見ても、どうしていいか分からなくなってしまう。
「ごめん…」
「なんで泣いてるの…」
ーーーえっ
声が溢れた瞬間に顎を掴んでる手で、知らぬ間に出ていた涙を拭かれた。
ホントに俺なんで泣いてんの?
もうソファーから突き飛ばしちゃえよ。
気持ちわりぃって言い捨てろよ。
ふざけてんじゃねぇよって笑い飛ばせよ。
そう思うのに、どれも俺には出来ないんだ。
「先生ごめん…」
ふいに顎から手を離すと、頬を伝う僅かな涙の粒をもう一度拭った。
ーーーー明日ね。
バタンとドアの閉まる音が静かに響く。
一人になってから、クーラーが効き過ぎて寒くなっているのに今さら気づいた。
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