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18話
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「今日は晴れているから星が綺麗にみえるなあ…」
怒られるだろうが、少しでも早く行こうと急いで空を飛んでいたトマはふと空を見上げてつい声に出していた。
いつもよりも景色がキラキラとして見えるのはなぜだか分からないが…。
満たされる、というのはこういう事を言うのかと、苦しいような嬉しいような不思議な気持ちだ。
それはそうと急がないと、と思い直し、魔界への扉を開く。
急いで飛び疲れてふらふらになりながら、リーダーを探し始める。
「おう!トマ!相変わらず相手がいないままかよ!」
「あっ…ひ、久しぶりだね…アレク…」
急に大きな声が後ろからかかり、振り向くとそこには幼馴染であるアレクがいた。
幼馴染ではあるものの、アレクは昔から出来が良く、周りからも期待されていた。
だが、出来がいいことを鼻にかけるわけでなく、トマにも同等に接してくれているのだが、いかんせん言葉は荒くて少し胸にチクりと刺さることも度々ある。
「あ、あの、実はとても良い人とパートナーになれたんだ…」
「お、すごいな!良かったじゃねえか!この調子で他のパートナーも見つかるといいな。」
純粋な労いの言葉をかけられた。ただ、はっと気付く。
自分がインキュバスである以上は、多くのパートナーをつくり、出来うる限り多くマナを集めなければならないのだ。
今まで落ちこぼれであったが故の盲点だった。
アレクにリーダーの居場所を聞き、向かう途中のトマの足取りはそれは重いものだった。
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