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20話
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はぁはぁ息を切らしつつ、超特急で飛び帰ってきたトマ。
人間界と魔界の時間の流れは少し違うため、隼人はきっと起きているだろう。
家に到着し早く隼人の胸に飛び込みたい、だが直視できない、そんな気持も入組み複雑な思いだった。
だが、きっと寝ずに待っていてくれると、そう思い勇気を振り絞ってドアを開ける。
「隼人さん…た、ただいま。」
「あ、トマ君!お帰り、早かったね。」
「ま、魔界と人間界では時間の流れが違うので…その…」
「そうだったんだ!…なんだか、暗いけど…怒られたの?」
ぐさっと刺さるような言葉だった。
隼人には悟られまいと、その一心でこくこくと頷く。
「で、でも!そんなに、お咎めはなかったので…その…」
「そっか…うーん…トマ君、何か僕に隠してる?」
「ふ、ふぇっ?!い、いいいいいえ!!!何も、隠してないです!!!」
隼人に感づかれそうになり、必死で否定する。
そんなトマの様子を見ながら、隼人は何かを隠していることを悟る。
目を全く合わせてくれないことに、ふと心が傷つくが、問い詰めるのは嫌だ。
そう思うのに、トマの心の中を、どうにか覗きたい。
トマの事を大事にしたいのに、そんなことがままならない自分が情けなかった。
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