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日常
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朝、藍川さんの家へ行き返事のない家へ勝手に上がり込む。
ソファの上で死にそうな顔をしている藍川さんの生存確認をして自室で寝かせる。
その間、俺は部屋の掃除をし残った時間はただ本を読んでいるだけ。
昼過ぎに目覚めた藍川さんにご飯を食べさせ、何をするわけでもなく話したりテレビを見る。
そのまま夕方になればご飯を食べてちゃんと寝るように促し家へ帰る。
そんな生活を何の進展もなく続けていた。
「…おはようございます、藍川さん。」
「ん"、っ……」
「ほら。寝るならちゃんと部屋で…」
「ぅ…ん、…んーー…うん、…」
「うん、じゃなくて…」
相変わらず体調の悪そうな顔だ。
冷たい手を握って顔をのぞき込む。
くっきりとついた隈や青白い肌。
あれから二週間近く経ったけれど、藍川さんの体調や生活になんの変化も見られない。
「…藍川さん。夜、眠れませんか?」
「ぅ、…すー、……」
そう話しかけたのに、藍川さんはすぐに眠りについてしまう。
さっきまでの苦しそうな顔つきとはもう別人で気持ちよさそうな顔だ。
それもずっと変わらない。
こうやって本気で寝てしまう前に自室へ連れていかないとしばらくは起きないのに…失敗だ。
「はぁ、…なんで普通に夜寝ないのか。」
ため息をついて気持ちよさそうに眠る藍川さんへタオルケットをかける。
もう夜と朝は冷える。
いつまでもここでこんな風にして夜を越されると、本当に体調を崩してしまう。
不眠症なのか、それともただの不摂生か…
いつも通り藍川さんの傍で本を読み始める。
知らない作家の本はどこか冷たくてつまらない。
藍川さんの本に比べると、機械質な気がして堪らない。
そんな風に、また藍川さんの隣で過ごす今日が始まる。
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