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独り
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毎シーズン一巻ずつ出る、レビュー本の締切が近いらしい。
そのため俺も今週だけは藍川さんから離れてそれらしい仕事をすることになった。
やるのは単純作業でディスクワークからしばらく離れていた俺からすれば苦痛でしかない。
「ぅ"……いてて、…」
「お疲れー小波。あの天才の世話よりもよっぽど楽だろ?」
「いや…こっちの方が何倍もしんどいです。」
「えぇ…お前も変わり者だな、まぁ頑張れよ。」
「はい…」
すれ違う先輩達は皆して遠回しに"あの天才は厄介だろう"と言ってくる。
他の皆には藍川さんはどう見えているんだろう。
そんな事を考える暇がないくらいに次から次へとやってくる仕事に追われていた。
金曜日。
ようやく仕事が片付いてきた。
山のような仕事はそれこそ"働いています"という感じだが、普段と比べてハードすぎる。
まぁ普段が楽すぎるだけなんだろうけど。
「小波ー、もう終わるか?」
「はい。」
「今日は定時で上がっていいぞ、1週間お疲れ。」
「ありがとうございます。」
時計を見ると時刻は16:42。
今週の仕事の忙しさは異常だったらしく、定時なんてあってないようなものだった。
後少しで片付く仕事を出来るだけ急いで終えていく。
その時、ふと思った。
藍川さんは元気だろうか。
1人きりで平気だろうか。
いつの間にか頭の中は藍川さんでいっぱいになっていた。
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