アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2
-
あれから、普通にご飯を食べてテレビを見て何の変哲もない時間を過ごした。
ただ時間が深夜なだけで昼にしていることとほとんど同じだ。
一つ違うのはこのあと、俺は家に帰らなくてここに一緒にいるってことだ。
「もう3時だね。」
「…ですね。」
「寝る?」
「眠いですか…?」
「うーん…少しだけ。小波くんは夜ふかしするタイプ?」
「寝るのはだいたい今くらいですね。次の日が休みならもう少し遅い日もあります。…藍川さんは?」
「そうだね。最近は眠れなかったから、この時間はただなんとなく空を見てたよ。」
つまらない深夜番組を見ながらそう言って藍川さんが笑った。
この人はいつも笑っているくせに寂しそうで悲しそうだ。
きっと、その理由が辛いものだからだ。
…今日はちゃんと眠れるだろうか。
「寝よっか。」
「…はい。」
「おいで、寝室しか寝る場所はないからね。」
テレビを消すとおいで、と手招きをされる。
そのまま付いていくと予想通りいつもの寝室へ招き入れられる。
この部屋には当たり前だけどベッドは一つしかない。
枕も、布団も。
「…どこで寝ようか。」
「あ、…俺全然床で大丈夫ですよ…!」
「フローリング冷たいからやめた方がいいと思うよ?うーん、…小波くんが良いならベッドでまとめて寝た方がいいとは思うんだけど。」
そう言って、じっと目を見つめられる。
少し細めた目は色っぽくて。
俺は貴方が好きなのに。
この人はそのことを全く遠慮してはくれない。
「それじゃ、…ベッドで。」
「うんうん。」
先にベッドへ潜り込み壁際へピッタリとくっついた藍川さんへ続いて俺もベッドへ入る。
恐らくセミダブルであろうソレは男ふたりが入ればかなり狭い。
「眠れそう?」
「…はい。」
「よかった。…おやすみ、小波くん。」
「おやすみなさい。」
すぐ目の前で小さくなって目を閉じる藍川さん。
微かにシャンプーの匂い。
それからいつもの藍川さんの香りがする。
触れたい。
少し、触れるくらい許されるだろうか。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
51 / 208