アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
6*
-
噛み付いていた箇所から口を離し、少し体を起こす。
見下ろした先の人は目に涙が溜まり今にも流れそうだ。
綺麗な顔は少し崩れて口からは甘い吐息が溢れる。
「藍川さん、嫌ですか?」
「…何度も聞かないで。きみがしたいならすればいいよ。」
「俺、男ですよ。」
「知ってるよ…俺だって男だよ、だから何…?」
「いいんですか?」
この人は"失言をしたから仕方ない"と言って俺を受け入れようとしてるのかもしれない。
でも、それなら少し不満だ。
俺の精一杯の"好き"が"仕方ない"で終わってしまう。
そしたらきっと…もう次はないから。
「小波くん、きみは…俺を好きなんだよね…?」
「…はい。」
「それならいいよ。その代わり優しくしてね。」
涙に濡れた目が一度瞬き、溢れた。
ほんの少し笑うとその人は俺の首へ手をかける。
俺はそのまま抱きしめられるようにして藍川さんの腕の中へ落ちた。
「痛いのも、怖いのも。好きじゃないんだ。…無理矢理は嫌だ。でも…きみなら大丈夫。」
「…後でそれは聞いてもいい話ですか?」
「まだ秘密だよ。」
耳元でそう言う言葉は、きっと少し昔のなにかの話。
掠れた小さな声を吸い込むように唇へ吸い付く。
あなたを傷つけない。
忘れさせるほど、壊して、愛してやる。
キスをしたまま手を伸ばし、ズボンの中へ手を入れる。
ほんの少し勃ったソレを優しく手で撫でる。
俺の下でピクピクと揺れる体を撫でそれを愛おしく思う。
今なら胸を張って言える。
「貴方が、好き。」
だって。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
55 / 208