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知らない顔
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『……くん、おいで。』
『ごめんなさい、っ許して…』
『…くんイイコだね。おいで、…ほら。』
『お兄ちゃん…!!』
『悪い子にはお仕置きだよ。』
『…はい。俺が、全部悪かったです。ごめんなさい。』
『あぁ、……くんは本当に可愛いね。』
『…はい。』
酷い夢から逃げるように目をこじ開けた。
ぐっしょりと寝汗をかいていて髪が顔に張り付く。
…昨日、あんなことがあったからかな。
また昔の夢を見た。
隣を見るともうそこには小波くんの姿はない。
「一緒に寝てって、言ったのに。」
きみがいないから悪夢を見たんじゃないか、なんて八つ当たりしたって仕方ない。
起き上がったところで、今自分がシャツの一枚も着ていないことに気付いた。
…あぁ、踏んだり蹴ったりだ。
膝を立てその膝を抱えたまま目を閉じた。
あの子が来るまでもう少しこのままでいようか。
あれ。
あの子はここに帰ってきてくれるのかな。
急に不安になって身体が冷たくなる。
少し冷たい態度をとってしまったから、もう帰ってきてくれないかもしれない。
そしたらどうしよう。
どうやって今を過ごそうか。
あぁ、…俺は本当に面倒な人間だ。
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