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目が覚めたのは八時前。
…今起きれば、あの廊下に溜め込んだゴミがなくなる。
そう思って隣で眠り藍川さんを起こさないように慌ててゴミを出しに行った。
「…ん?」
ゴミを抱えて玄関まで来ると、昨日棚の上へ上げたはずの封筒がひとつ玄関に落ちている。
…いや。
落ちたんじゃなくて新しく届いたらしい。
ゴミを一度置いてまた棚の上へあげる。
「後で聞くか…」
藍川さんに聞かない限りわからない事だ。
そんなことより今はゴミを出すことが優先だ。
駆け足でゴミを出し、すぐに家へ戻ってくる。
明らかに睡眠時間が足りない。
早く部屋に帰ってもう一眠りにしよう。
そう思って寝室のドアを開けるとベッドの上には膝を抱えて蹲る藍川さんがいた。
「藍川さん…?」
「どこ行ってたの?」
「え?…あぁ、ゴミを捨てに行ってました。これで廊下広くなりましたよ。」
「ゴミ、かぁ…ありがとう、早起きは得意じゃないから助かったよ。」
そう言うけれど、まだ蹲ったままで膝に埋めた顔は上がらない。
ひとまず部屋に入りドアを閉め傍まで近づく。
昨日のままだから藍川さんは何も服を着ていない。
横からだからよく見えないけれど白い肌が朝日に照らされて色っぽく見える。
「藍川さん、寝るなら横になって…」
「…うん、そうだね。傍にいてくれる?昨日言ったけど1人だと怖い夢を見るんだ。すごく、すごく怖い夢を。」
「すみません、っ…よく眠ってたから、大丈夫かなと…」
「もし俺がいびきをかいて眠っていたとしても離れないで。離れる時は起こしてくれないかな。」
「…わかりました。」
なんだかいつもと違う気がした。
いつもよりもっと、感傷的な。
俺は頷いてベッドの上へ上がる。
藍川さんが顔を傾けニコリと笑うとベッドへ体を預けすぐに目を閉じてしまう。
よっぽど疲れてるんだろう。
俺もその横へ寝転がり目を閉じた。
おやすみなさい、貴方が目覚めるまで。
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