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ここにある封筒の中身が、もし全て週刊誌なら。
それが全て藍川さんへの批判のものなら。
「まさか、…っ…」
持っていた週刊誌を棚の上へ投げ捨て廊下を駆けていく。
あの、リビングにあった封筒の中身も全部?
それならここへ来る度床へ落ちていた週刊誌は全てこれだった…?
「小波くん、…」
藍川さんの悲しそうな声を無視してリビングの端へ積み上げていた封筒を手に取る。
1つ目も、2つ目も、3つ目も。
全て批判の週刊誌だった。
各週刊誌がランダムに入っているらしい。
同じものもいくつもある。
「…なんで、…」
「小波くん、…やめて。」
「これ、嫌がらせですよね…!?」
「大丈夫だよ。」
「ずっとこんな事されてたんですか…?」
「…平気だから。」
「何が平気なんですか!?警察行きましょう、俺も一緒に…っ」
リビングの入口に立ちすくむ藍川さんへ思わず声を荒らげてしまった。
ストン、と藍川さんの腕から週刊誌が落ちた音でハッとする。
…この人は何も悪くないのに。
「俺が、…悪いんだ。大丈夫だよ。…ゴミ、これのせいで重かったよね。今度からちゃんと俺が捨てるから。」
「…ゴミなんてどうでもいいです。」
「ごめんね。…ごめんね、小波くん。これ以上、きみに迷惑かけたくなかったのに…。」
藍川さんが両手で顔を覆うと俯いた。
こんな事されていて平気なわけない。
大丈夫なわけない。
辛いのに、嘘をついて隠していた。
もっと早く 気付けていたら。
こんなに傷つく前になにか出来たかもしれないのに。
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