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「コンドーム、…?」
思わず聞き返してしまう。
目を伏せたまま、気まずそうな顔をする藍川さん。
…男が男からストーカー紛いなことをされている。
想像出来ないくらい気持ち悪いはずだ。
少なくともこの世の中に、俺以外にもこの人を性的対象としている人間がいるってことだ。
「…たまに、だよ。ドアノブに引っかかってて…どうするべきか…わからなくて。…ごめんね、小波くんだってこんな話聞きたくないよね。」
「いえ、話してくれてありがとうございます…っ」
「つい口が滑っちゃった。でも平気だよ、直接何かされたことも鉢合わせたこともないから。」
「本当に平気なら、…そんな顔しませんよね。」
眉を顰め、無理矢理に笑う藍川さんを見つめる。
大丈夫な訳がないんだ。
しばらく見つめていると小さく息を吐いては首を振った。
「ううん、大丈夫。…なんて言ったらもっと君を困らせることになるのかな。ごめんね。でも、聞いて貰っただけでもすごく楽になったから。」
「…俺、犯人捕まえます。」
「え…いや、危ないよ。小波くんに怪我なんてさせたら偉い人に合わせる顔がないし…」
「そんなに危ない人に狙われたまま、藍川さんを放っておけません。」
「君は俺にそんなに優しくする必要は無いんだよ。君を傷付けたくないんだ。」
そう頑なに言うと優しく笑った。
力になりたいのに、この人は受け入れてはくれない。
…でも、原因が分かっているのにそのままにして藍川さんを苦しめるのは嫌だ。
俺はこの人に少しでも楽になってもらいたい。
「…お願いします、やらせてください。」
「どうしてそこまで……、俺は他人だよ…?」
「…貴方が好きだから。」
好きだから、守りたい。
好きだから、傷ついた姿は見たくない。
それだけじゃ理由は足りないのだろうか。
「君は変わってるね。」
「藍川さん程じゃありません。」
「…俺も、近くにいさせて。犯人さんがなにかしたらすぐに逃げるんだよ。」
「はい…!」
優しく笑う貴方にずっと笑っていて欲しいから。
俺は 殺されたって何されたって
どうでもいいって思えるんです。
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