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ずっと 誰にだって言ってこなかった。
言いたくなかったし、知られたくなかった。
いつもポックリ死んじゃう時までずっと隠しておこうと思ってた。
怖い だとか
寂しい だとか
苦しい だとか
そんな感情とっくの昔に捨てたはずなのに。
このこの前だと何故かそれが引っ張り出されて。
隠していられなくなる。
この子ならどんな事を言ったって受け入れてるくれんじゃないかなんて、そんな甘いことを考えてしまう。
「藍川、さん……」
「こんなこと君に言ったって困らせるだけなのに…ごめん。俺、学習しないなぁ…」
「…困らせてくださいっ、…迷惑も心配もいくらでもかけてください…!!」
「…え?」
「怖いけど、…でも知らない方がもっと怖いから…っ…藍川さん、いつか1人でどこかに消えてしまいそうだから…。」
小波くんが不安そうな目で俺を見た。
…こんな顔、初めてだ。
君をもっと不安にしてしまうくらいなら話してしまった方がいい?
俺の話を?
俺自身も目を背けている俺の話を……?
「…少しだけ、少しだけ迷惑をかけさせて。あの人の話を聞いて。」
「聞かせて…ください。」
「今は君の曖昧な優しさに…甘えさせてくれないかな。」
「…もちろんです。」
小波くんがそう言って俺の体を抱きしめた。
俺よりもしっかりとしていて少し大きな体。
俺は醜い、そして酷い。
人の優しさに漬け込んでいく。
だって だってね。
俺に こんなふうに優しくしてくれた人は生まれてから君だけだったんだ。
少しだけ 甘えさせていてください。
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