アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
3
-
まだぼやける頭を押さえて大きくあくびをする。
原稿は11月の頭まで待つ、って言ってたのはどこの誰だったか。
今、目の前にいる人は今すぐ出せと言った顔で俺を見てくる。
「…あの。何も書けてませんよ。」
「らしいな。多少ケツでも叩いてやろうかと思ってきたんだよ。」
「叩かれたって書けませんよ。」
「書くのが仕事だろ?その調子じゃニートと変わらないぞ。」
「実質ニートなので。」
面倒だ。
出来ることなら今すぐ帰ってもらい、夢の続きを見たい。
睡眠時間が足りてないんだ。
そう思いながら抱えた膝へ顔を埋めるとバシ、と上から頭を叩かれる。
「…痛。」
「俺が来てるのに寝るなんていい度胸だな。」
「僕が寝てるのに来る方が悪いんですよ。」
「あぁそうか。 だがもう少し話すことがある。」
「なんです?」
「…とりあえず茶でも出せ。」
溜めるようにそう言うとの人はドカンと俺を押しのへソファを陣取ってくる。
非常識な人だ。
「あ、俺お茶出しますね。」
「大丈夫だよ小波くん。俺が出すから。」
「でも…」
「小波君は座ってて。いや、…その人の相手してて欲しいかな。」
「…わかりました。」
逃げるように台所へ向かっていく。
さっさとお茶だけ飲んで帰ってもらおう。
そう思ってると偉い人はくるりと俺を振り向き顔を顰めた。
「…おい、お前今小波って言ったか?」
「言いましたけど…」
その人は更に眉間に皺を寄せるとなにかに納得がいかないのか首を捻り俺と小波くんを何度も交互に見ては黙り込んでしまった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
90 / 208