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(ここから先、残酷な表現を多く含みます
*関連イラストにて小波くんのビジュを公開しました
先生に「藍くんはお病気だからしばらく会えないけど、少ししたら一緒のお部屋でいられるからね。」と言われて、それからしばらく藍には会わせてもらえなかった。
その代わりに貰ったのは新しいお部屋。
お部屋には2つベッドがあって片方は僕、もう片方は藍のだって言われた。
それから毎日、僕は色んなことを教えられた。
トイレやお風呂やご飯を食べる場所、ここでの決まりやご飯の食べ方。
それから僕のやらなきゃいけない事ややっちゃいけない事。
そんなたくさんの事を教えてくれるとある先生がいた。
「憂くん、また箸を落としたんだって?」
「…ごめんなさい。」
「ごめんなさいじゃないよ。落としたら、どうなるか忘れた?」
「えっと、…ぅ…角が、折れ…る…?」
「それは本を落とした時。憂くんは頭が悪い。ほかの誰よりもだよ。」
「…ごめんなさい。」
その先生は怖くて、僕が失敗をするといつもたくさん怒る。
でも全部僕が悪いから。
先生が僕に教えてくれた。
「君は今まで外の事を知らずに生きてきたんだ、世間知らず。それは"同情"や"特別扱い"される事じゃない。憂くんは頭が悪い。
今までの生活のせいで記憶力や判断力、…つまり脳みそが足りてないんだ。人間として頭が足りてない。」
先生はいつも難しい言葉ばっかりで僕はよく分からなかった。
でも僕は皆より"あたまがわるい"って事はもう覚えた。
悪いことをしたら ごめんなさいを言って先生が許してくれるまで座っちゃダメで、それから。
「憂くん、服を脱いで。」
「…はい。」
服を脱いで。
先生の言うことには絶対に逆らっちゃダメ。
先生は ママより 怖いから。
普通、人間っていうのは親や周りの言葉を聞いて学ぶんだって。
でも俺は親の会話も外の事もほぼ知らなかったから。
何もかも…知らなかったんだ。
例えば、色の名前や食べ物の名前。
人の顔だって母親の顔と弟の顔しか知らなかった。
だから人の顔を見分けたりその顔に名前を当てはめることが出来なかったんだ。
…それは克服できなくて今まで引きずってるんだけど。
先生はそんな俺をいつも強く叱ったんだ。
俺はきっと元から器用じゃなくて。
箸は落とすし上手く使えずに食べるのは遅い、それに文字も言葉もよく理解してなかった。
…というか、知らなかったから。
他の子よりずっと頭が足りなくて何も出来なくて。
思い返してもダメでノロマな子供だったよ。
あはは、…うん。
大丈夫。
この頃は まだ マシだったから。
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