アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
2
-
ソファの上に横たわってクッションを抱きしめたままぼーっと窓の外を見る。
今日はあの子は来ないらしい。
一番知られたくなかった事を簡単に話して
何もかも 許してしまった気がする。
俺はもうあの子がいない日々は送れないし、あの子がいなくなるなら俺もいなくなりたい。
あぁ そんなのおかしい。
「…普通は、好きって何なんだろう。」
俺は普通じゃないからそれがわからない。
それはあの子にとって迷惑になるはずなんだ。
あの子に迷惑はかけたくないな。
嫌われたくはないな。
でも
…俺はこのままでいいのかな。
「…空に浮かんだクジラが…鳴くと、街の人は目を覚ます。」
ソファの布を指先で引っ掻きながら呟く。
俺は 誰かと一緒になるべきじゃないかもしれない。
幸せな未来が浮かばない。
きっと俺はあの子のことが好きなんだろう。
好きで 好きで 大切で。
そばにいて欲しいはず。
この 少し離れている時間さえ寂しくて
押し潰されそうで 呼吸が苦しくなる。
こんなの ダメだ。
きっと あの子もいつか俺を嫌ってしまうから。
あの子から 離れないと。
「…どうやったら、離れられるの?」
毎日笑顔で来てくれるあの子から離れる方法を俺はたった一つだけ知っている。
離れないでいて。
そんな願い 叶わないから。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
128 / 208