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言われた通り水を飲んで椅子へ座る。
少し落ち着いたような気がした。
「それで彼の事なんですが…ココへ通うのは無くし、出来れば本の出版や広告過程へ関わるのも一切なくて貰えますか?」
『あいつ、そんなにやらかしたか?』
「いえ。…純粋に、彼には1人の読者として関わって欲しくて。」
『わかった。お前の頼みなら引き受ける。あいつは別の部署へ移ってもらう。』
「あ、…いや。あの子は感性があります、それから才能も。出来れば他の作家さんへ付けてください。そうですね…まだ芽の出ていない若い作家さんがいいと思います。」
『…検討しておく。』
「ありがとうございます。」
俺のせいであの子が社内で肩身の狭い思いするのは嫌だ。
それに、あの子自体には全く何の非もないのだから。
ただ 俺の感情的な話に何もかも振り回してしまった。
『本当に本は出せるんだな?』
「はい、約束します。」
『それなら明日から大々的に広告を打つ。メディアからの依頼も来るだろうな。テレビやラジオの出演はどうする?』
「すべて受けます。」
『わかった。本が上がり次第会見もするか。これからまた死ぬほど忙しくなるぞ。』
「ふふ、覚悟しておきます。…またお世話になります。」
『おう。それじゃ、今日は切るぞ。』
「はい。」
俺が返事をし終えるより早くに電話が切れる。
何もかも忘れて本へ尽くそう。
またメディアへ出れば、テレビや付き合いも増える。
そしたらまた忘れられる。
全部わすれて何も感じない毎日が来る。
大丈夫。
「…俺は馬鹿だから。」
大丈夫。
*第1章 終
あけましておめでとうございます、らいおんです。
ここまで138ページお付き合いありがとうございます。
こうして続けられているのも本当に読んでくださるみなさんのお陰です…!
イイネ、コメントとても励まされております…
ここからもまだまだ続いていきますかどうか最後までお付き合い下さい*
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