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身体に貼られたテープは何も取れていなくて、相変わらず身動きはできなかった。
けれど、半ば意識を飛ばすように眠りにつけたお陰であの薬の効果は一番ひどい時よりはマシになってるらしい。
こうやって少し難しいことを考えられるくらいには。
「…ぅ"、…」
苦しい上に体が痛い。
普通ならこんな形で拘束されるなんて事まず無いからだろうな。
少しマシになったとはいえ、心臓はフル活動で動いてるせいで痛いし身体はまだ熱をもっている。
この状態に慣れ始めてるのが一番怖い。
このまま体を無理やり動かせばソファの下に落ちるくらいはできそうだけど、そんな事をしたら殺される。
逃げたら殺される。
このまままた活動停止、なんてことになったら面白いな。
今度こそ戻ってこれなくなりそう。
「憂くん。おはよう。」
その声に呑気に考えていた思考が止まる。
視界には無いけれど、すぐ後ろにいるらしい。
「まだ生きててよかったね。口のテープはがすよ、少し痛いかもしれないけど耐えてね。」
「ん、…」
「跡になると良くないからちゃんと口枷買ってきたよ。…うん、綺麗にとれた。憂くんの綺麗な顔に傷がつくと良くないからね。」
「…ありがと、う…ございます。」
そういえば俺の顔は綺麗らしい。
忘れてた。
昔の記憶が少しずつ帰ってくる。
また、忘れて怖いことをされるくらいならちゃんとまた覚え直さないと。
「憂くん、口開けて?」
「…へ、……っぅ"、…!?」
言われたままに口を開けると指を押し込まれ喉の奥にまたあのクスリを入れられる。
飲みたくない、と舌で押し返すと無理やり押し込まれていく。
「飲み込んで。」
「ん"、っぐ……ぅ、……」
「どうしてすぐ悪いことするのかな。」
無理やり飲まされてしまったそれは、また同じように溶けていく。
昨日と同じ苦痛がまた来るなんて耐えられない。
許して、と先生を見上げると先生はニッコリと笑って俺の髪を撫でた。
「そうだね、今度はその目も塞ごうか。」
「え、…?」
「…ほら。昔はちゃんと"はい"って言えてたよね。外なんかに出るからそんな悪い子になったんだ。
先生が元に戻してあげるからね、憂君も一緒に頑張ろうね。」
「……はい、…」
目にレザーの布が当てられ、痛いくらいに頭を締め付けられる。
口には丸いボールを噛まされて同じように後ろで締められる。
ボールには空気穴が空いてるみたいだけど小さくてほとんど息はできない。
「また昼に見に来るから、イイコでいるんだよ。」
燃えるような熱と死んでしまいそうなくらいに苦しい胸と呼吸に耐えながら思い出した。
逆らうだけ無駄で
早く受け入れて折れてしまえばそれ以上酷いことはされない
悪い事さえしなかったらお仕置きはない
お仕置きは終われば少しの間だけ優しくなる
だって先生が怒っているのは俺が悪いことをしたから。
逃げようとするのも、人に本を投げるのも、返事をしないのも言い訳もよくない。
そう 先生は正しい。
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