アダルトコンテンツが含まれます。
18歳以上ですか?
- 文字サイズ:
- 行間:
- 背景色:
-
17
-
どれだけ時間が経ったのかわからない。
身体が熱くて、熱くて、壊れてしまいそう。
何も感じない。
身体の奥が燃えていて溶け出している。
苦しい。
息がしたいよ。
時々、耳栓が外されて冷たい声が聞こえる。
「死にたい?」
俺はその声に何度も頷く。
唯一動く首だけを精一杯に振って、呻くことしか出来ない声で必死に叫んで。
それなのその声はそれ以上何も言わずまた俺の耳を塞ぐ。
壊れそうな刺激と痛みだけが俺を生かして。
誰も助けてくれなくていい。
殺して、早く。 早く。
どうしてこんなに心臓は動いているの?
痛いくらいに、止まりそうなくらいに。
強く、強く、早く動き続ける心臓に早く止まれと叫んだ。
お願い、殺して。
「憂くん。死にたい?」
死にたい
いつも 扉を見つめていた。
誰かが その扉を開いてくれるのを待っていた。
そしたら遠くへ逃げ出せたから。
誰かが俺を助けてくれたから。
俺は 弱くて 惨めだ。
世界が俺を嫌うのは当然だ。
でもね 俺はね
ずっとずっと 誰かに
たった一人だけでいいからその誰かに
「大好き」だって
「愛してる」って
そう思われたかったんだ。
藍、今 行くからね。
こんなに弱いお兄ちゃんでごめんね。
また、逃げちゃった。
現在の設定
文字サイズ
行間
背景色
×
177 / 208