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10時過ぎ。
知らない人に呼ばれてそのまま連れられていく。
偉い人は色々と忙しいみたい。
言われるままに連れられた舞台の上はたくさんのライトに照らされて少し眩しい。
「入りは木下さん、菅さん、藍川さん、山名監督、それから視界の尾崎さんの順になります。立ち位置は手前から尾崎さん、木下さん、菅さん、山名監督、藍川さんの順です。」
誰かがそう説明すると若い男の人と女の人が元気よく返事をして何度も頷いた。
…あ、さっきの人達だ。
パチリと目が合ったから少し手を振ってみると2人とも笑顔で振り返してくれた。
優しいなぁ。
「藍川さん、聞いてますか?」
「うん?聞いてる…ます。」
「それじゃー藍川さんの立ち位置は?」
「うーん…この当たりかな。」
「もう、順番の話ですよ!」
「あはは、ごめんね。もう1回聞いてもいい?」
昔なら怒られるようなこともこの環境じゃ笑い飛ばしてくれる。
なんで優しい世界なんだろう。
もう一度丁寧に説明してくれるけど上手く覚えられない。
…まぁ直前にまた聞けばいいか。
そんな感じで説明は進んでいく。
今回は映画の事を中心に関連した俺達の事についてが主な内容らしい。
質問されち通りに答えればいいみたいだからそこまで緊張しなくていいかもしれない。
「それからー最後に、時間が余ったら質問コーナー的なのをする予定なのでよろしくお願いします。」
「はい。」
「それでは本番までもう少し待機よろしくお願いします。」
その言葉に頭を下げて皆について楽屋へ戻っていく。
今日のお仕事はこれだけだし寝ないように頑張らなきゃ。
途中の鏡でふと、映った自分の姿を見てみた。
お人形さんみたいに着飾ってもらってよかったね。
なんて言って手を振ってみる。
鏡の中の人は笑顔はくれないけど手は振り返してくれた。
優しいね。
さて、お仕事頑張らないと。
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