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気持ちよさそうな寝顔を見て少し安心する。
それにしても、夢の中まで追われているなんて可哀想な話だ。
週刊誌やメディアの批判は少し前に比べればまだ落ち着いたけれど藍川さんを追い詰めるには十分すぎる。
それと、もう一つは昔のこと。
…こう思うと藍川さんのこと俺何も知らないな。
冷たい手を握っているうちにだんだんと暖かくなってくる。
片手を握っているから本を読むことも何も出来ない
ずっとそうしているとだんだんと眠くなってくる。
目覚めるまで、俺も少し寝ていても…いいだろうか。
ふとした瞬間、パチリと目が覚めた。
ベッドへ寄りかかるように突っ伏したまま寝ていたらしい。
目を開くと覗き込むように俺の顔を見る藍川さんがいた。
「ん。」
そう言うと藍川さんが俺の頬を手の甲で撫でる。
何かわからずにキョトンとしていると、クスクスと笑っては髪をくしゃくしゃと撫でられてしまう。
…からかわれてる?
「よく寝てたね。」
「…つられて。」
「ふふ、付き合ってくれてありがとう。おかげで俺もすごく元気になったよ。」
「それはよかったです。…うわぁ、もう日付変わりそうですね。」
時計を見るともう夜中の12時前だ。
…まぁ夕方から爆睡すれば仕方ない。
「ご飯にしますか…?それとも先にお風呂に…」
「新婚さんみたいなセリフだね。先にお風呂にしようかな、汚い話だけどここ数日入れてなかったんだ。臭うかな。」
「へ?いや、…そんな風には、…」
「よかった。お風呂上がったら後で小波くんも入っていいからね。お先失礼します。」
「はい。それまで掃除しときます。」
「あはは…お世話になります。」
起き上がった藍川さんはそう言って笑うと謙るように言った。
今から、ここで一夜を過ごすのかと思うと少し胸が高なった。
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